朝日杯FS

朝日杯は阪神外回りに変更されてから最初の3年間は、最後方待機の追い込み馬ばかりが上位に来て、前は壊滅で掲示板に乗ることすら難しかった。阪神JF桜花賞も外回り施行になってからこの傾向は顕著だったので、コースの性質上しょうがないかと思っていた。しかしそれも今は昔。ここ3年は先行馬が勝っている。一つはダノンプレミアム、アドマイヤマーズ、サリオスなど3歳以降も一線級で戦える一流馬が参戦していて、先行策でも阪神マイルを戦える実力があったということだろう。そしてもう一つは馬場。最初の3年間の勝ち時計は1.35.9, 1.34.4, 1.35.5。直近3年間は1.33.3, 1.33.9, 1.33.0。つまり1分33秒台の決着が期待できるようなそこそこ速い馬場なら、長い直線コースと急坂があっても先行策で十分粘り込むことができる。

今年の阪神は、京都工事中のロングラン開催を見込んでか馬場はかなり速い。先週の阪神JFも1.33.1で先行馬ソダシが粘り込んだ。朝日杯も1分33秒台は確実。そうなると後ろで溜めていては届かない。また枠も重要。この3年間の朝日杯では6-8枠は馬券にすら絡んでいない。このコースに限った話ではないけど内枠有利の傾向はどんどん進んでいる。

 

本命はグレナディアガーズ。初勝利まで3戦を要したけどその3戦目が強かった。1,2戦目は左回りで直線を向いて口向きの悪さを見せていたので右回り向きなのかもしれない。その前走は阪神1400で2番手から抜け出して3馬身差の圧勝。勝ち時計1.20.4はタイレコードだった。その日のメインでメイケイエールが1.20.1でレコードを更新したけど、道中のペースの違いと後半の伸びを思えば同等以上の評価が必要。今回の出走メンバーでこれより高いパフォーマンスを見せた馬は見当たらない気がする。

鞍上の川田は今秋のGI一番人気連勝記録を見事に止めてしまったくらいGIでは頼りないけど、阪神マイル戦の成績としては文句なしのナンバーワンジョッキーで、この2年連続で勝率が3割を超えている。特に一枠を引いたら2年間で( 5 1 0 1 )という驚異的成績。今朝も6枠から内に潜り込んで見事な勝利を収めている。

前走未勝利戦の馬が朝日杯を勝った記憶がなかったんだけど、遡るとメジロベイリーアイネスフウジンが勝っている。前走未勝利戦で差し・追い込みだった馬は朝日杯で( 0 0 0 12 )だけど、前走で逃げ・先行だった馬は( 2 0 2 10 )で勝率14%の回収率370%だと考えたら決して悪くない。頭まで期待したい。

 

人気馬では、2連勝中のドゥラモンドとステラヴェローチェはこれまで戦った相手と時計面で不安の方が大きい。特にステラヴェローチェは前走あまりにも鮮やかだったけど、あの日の府中は酷い不良馬場で大外一気の追い込みの大穴が決まりまくっていた。

それよりは内枠のショックアクションの方が新潟の時計や勝ちっぷりを評価できると思う。あとは外枠だけどモントライゼ。1200でヨカヨカとメイケイエールに負けてるけど、大幅馬体増かつ距離延長の京王杯2歳Sでより強い内容を見せて後続を完封したあたり、かえって距離が伸びたほうが強いかもしれない。ダイワメジャー産駒でスプリンターといえばナックビーナスくらいで、他は大体マイルがベストだと思う。

デイリー杯の上位2頭は人気でも押さえておきたい。特に差されてからも粘り通したホウオウアマゾンの方を上の評価。

大穴ならジュンブルースカイ。最近の東京スポーツ杯組はホープフルに回ることが多いけど、2歳戦としては例年ハイレベルで、朝日杯へ距離短縮した少ない馬の中からもクリノガウディーらが出ている要注意ローテ。今年もダノンザキッド相手にジュンブルースカイが3着。初輸送で馬体10キロ減の状況だったことを思えばよく3着に来たと思う。萩Sでは僅差2着でワンダフルタウンにも先着しているし地力は上位陣と大差なさそう。

 

◎グレナディアガーズ

○ショックアクション

▲ホウオウアマゾン

△レッドベルオーブ

△モントライゼ

△ジュンブルースカイ