桜花賞

先週の大阪杯はステラヴェローチェもう少し何とかならんかったんか・・・。スタートで遅れて道中ではかかって前残り展開を外から追い込んで0.1秒差4着。3着でも1年分、2着なら3年分は儲かってたんだけどなぁ。でも予想が惜しいのは調子が上がってきた証拠だと信じたい。

 

今週は桜花賞。臨戦過程がばらけていて判断が難しいけど、やはり阪神JFの上位3頭は時計も立派で地力を信頼しやすい。特に気になって眺めていたのは3着コラソンビート。鞍上は最後1ハロンで止まってしまったと言っていて確かにその通りだけど、個人的にはコーナーワークが気になった。4角を5番手で回った数字の記録とは裏腹に、直線入り口では外を回すうちに8番手まで下がっていて、差してきたアスコリピチェーノに先に行かれて必死に追いかける展開を強いられていた。せっかく先行していたのにその利をまるで生かせず、前がほぼ崩れる厳しい展開の中で差し脚を伸ばさねばならなかったのだから最後バテて当然。それまで4戦全て左回りだった経験値が出たのかもしれない。前走フィリーズレビューでは2着に敗れたけど最内を綺麗に回って好時計で2着。阪神JFで好走してトライアルで負けて桜花賞で評価を落とすというのはレッツゴードンキやレーヌミノル、古くはアローキャリーのようによくある穴パターンでもある。ぶっつけ本番で挑むアスコリピチェーノやステレンボッシュよりも買いたい、と思った。

 

しかし見返せば見返すほど、その前走フィリーズレビューでコラソンビートに土を付けたエトヴプレの強さが際立ってきた。勝ち時計1.20.1はこのレース歴代2位。歴代1位は22年サブライムアンセムの1.19.9。21年と23年にも1.20.7が2回出ているし、最近は阪急杯で1分19秒台も頻発するので、1.20.1という数字にさほどインパクトを感じなくなった人もいるかもしれない。しかし21年から23年にかけての3年間は、春の阪神競馬は相当な高速馬場だった。おそらく京都競馬場が改修中で阪神を酷使しないといけないので例年以上に芝の管理体制が良かったのだろう。一方で今年春の阪神芝は過去3年と比べれば明らかに遅い。1200の最速は古馬3勝クラス1.08.3。1600最速はチューリップ賞の1.33.1。1800の最速は古馬オープン1.45.4と実に平凡な数字。そんな中でエトヴプレだけが出色の1.20.1。時計が異常に速かった過去3年を除くと、フィリーズレビューの最速は1.21.0なのでエトヴプレの記録がいかに並外れているかが分かる。古馬まで含めても、エトヴプレより速い時計が春の阪神で出たのは、過去3年以外ではミッキーアイルが開幕週の阪急杯で記録した1.19.9ただ一度しかない。

そして驚異的なのは、エトヴプレは前半1000が56.4というハイペースを自ら作って、そのまま脚色衰えずに逃げ切っているということだ。ほぼ同じペースで流れたサブライムアンセムの1.19.9は典型的な前潰れ。今年阪神1400で2番目に速かった古馬3勝クラスの1.20.4でも、前半56.7から前潰れの追い込み決着になっていた。実際、フィリーズレビューでも2番手集団でエトヴプレを追いかけた3頭はすべて沈んで、着順表の一番下を独占している。その中の一頭は3番人気のシカゴスティング。この馬は同じく前潰れ展開だった阪神JFの先行勢でただ1頭掲示板に乗った実績がある堅実な馬なのに、フィリーズレビューではハイペースで完全に潰されてしまった。今年春の阪神は逃げ切りが多かったけど、その影響が特に出たのは次週以降雨が降ってから。フィリーズレビュー当日は芝5レースのうち逃げて馬券に絡んだのはエトヴプレしかいない。決して単純な高速前残り馬場に助けられてのものではなかったと思う。

エトヴプレ自身はそれまで1200しか経験がなく、先行策あるいは中段から堅実に末脚を伸ばしてくるタイプだった。しかし1400で圧巻のパフォーマンスを見た後で改めて1200での走りを見返すと距離不足に見えて仕方ない。父Too Darn Hotもマイルで活躍した馬だし、エトヴプレ自身1200から1400に伸ばしてあれだけパフォーマンスが上がったのだから、1600で期待しない理由はない。逃げなければだめというわけでは決してないので、陣営も逃げないことを前提に作戦を考えている。外目の枠から後発して3,4番手につけて回ってこれれば、今の阪神は大外一気の追い込みは難しそうだし、頭まで十分狙えるのではないか。

 

相手選びが難しい。前潰れのチューリップ賞で届いただけのスウィープフィートは消し。クイーンズウォークのクイーンC1.33.1も一見立派だけど、今年2月の府中は古馬1勝クラスで1.32.8、3歳未勝利で1.33.6が出ている。1400でも古馬2勝クラスで1.19.9や2000古馬オープンで1.57.2が飛び出るなど過去最速と言っていい馬場状態だったので額面通りには受け取れない。鞍上が怖いけど桜花賞は1枠の成績も良くないし、500キロを超えて桜花賞で馬券に絡んだ馬も過去にはいない。それよりは阪神JFの上位3頭と、2歳の時点で圧巻だった素質馬チェルヴィニアですかね。

 

◎エトヴプレ

○コラソンビート

▲チェルヴィニア

△アスコリピチェーノ

△ステレンボッシュ

 

◎頭固定三連単。あとは気性難ライトバックまで押さえるかどうか。