桜花賞

大物感溢れる馬や堅実な馬が多数揃って何だか凄そうなメンバー構成になった。桜花賞はたまにどんぐりの背比べのような世代の年に5-7番人気の伏兵が勝つこともあるけど、今年は当てはまらなさそう。こういう世代では1番人気か2番人気の人気馬が期待を上回る強い勝ち方をしてスターホース街道を歩むケースが多いと思う。

特に阪神JFでハイペースで自ら逃げながら上がり最速で5馬身差レコード勝ちという、2歳牝馬史上最強と言ってもいい勝ち方をしたレシステンシアはあの時点で本当に底知れなかった。溜め逃げしたチューリップ賞で捕まったことで追い比べでは分が悪そうなイメージがついたけど、あれもあくまで休み明けだし、本番でどうなるかは分からない。むしろかつて5馬身突き放した阪神JF2,3着馬の地力の高さが証明されたことでなおさら当時のパフォーマンスの凄さが再確認されたような気もする。

ただ昨年末の阪神の馬場は逃げ馬の好走が非常に目立っていたこと、あまり人気のない立場だったことに対して、今回はメンバーの質が上がった上でなお一番人気を背負うこと、同型スマイルカナが内枠で逃げ宣言している中で外枠を引いたことなど、条件はいくつか厳しくなった。武豊も本当に強い逃げ馬に乗ると強い勝ち方をする騎手だけど、阪神外回りは成績が非常に悪い。これで勝つようなら本当にキタサンブラック的な馬になってしまいそうだけど、ダイワメジャー産駒で今更そんな大物が出るだろうかという点も気にして評価を下げた。

 

本命はデアリングタクト。キャリア2戦ながらゴール前で他馬を蹴散らさんばかりの勝ちっぷりが凄い。新馬戦が超スローだったりエルフィンSで出遅れたりと多少の不安もあるけど、前走の時計を見ればハイペースや高速決着への対応力もある程度目途が立ったように思えるし、1秒以上置き去りにしたスマートリアンやエーポスが次走好走しているところを見ると相手が弱かったわけでもない。スタートでよほど位置取りを悪くしない限りはここも強い競馬を見せてくれるのではなかろうか。

 

相手は迷うところだけどクラヴァシュドール一頭に絞ってみるか。抜群の瞬発力の持ち主で、サウジアラビアロイヤルCでは一瞬サリオスを交わすような脚を見せた。阪神JFチューリップ賞でも勝負どころの脚色は非常に良かったけど、ゴール前でどうしても脚色が一緒になって競り負けてしまっている。ハーツクライ産駒の大物は3歳春頃は結構こんな感じの勝ち切れない馬が多いけど、地力が高くて相手なりに走っているうちに大成したりする。大一番でこそ警戒したい。

 

◎デアリングタクト

○クラヴァシュドール