大阪杯

GIに格上げされて早8回目。今年は大物がみんなドバイに取られてしまって実質GIIみたいなメンバーだけど、最近は天皇賞ですら大物は2,3頭でそれ以外はGIII級だったりするので、それを思えば今年の大阪杯はGII級のメンバーがずらりと揃って馬券的にはなかなか面白い。1番人気が単勝5倍超。10番人気でも18倍台という数字が混沌を如実に示している。

GI昇格後の大阪杯勝ち馬を見返すと、キタサンブラック以外どうしても小物感があるけど、GIIで安定した成績は残せなくてもGI本番でハマれば勝ち切れるような勝負強い馬が多い気がする。あと気が付くのは1,2枠がほぼ馬券に絡んでいないこと、逃げや先行が強くて追い込みはほとんど届いていないことだろうか。そしてペルシアンナイトやダノンキングリー、ダノンザキッドあたりが好走して、マカヒキやサトノクラウン、サトノダイヤモンドやブラストワンピースやヴェルトライゼンデあたりが人気を裏切って飛んでいるあたり、求められる距離適性は2000よりも短めであることがわかる。スピードを活かして前目につけてそのまま押し切れる力が欲しい。

 

4歳世代は最後の頼みの綱のドゥレッツァが金鯱賞で完敗を喫して、世代としての弱さは最早疑いようもなくなってしまった。タスティエーラもここ2走は最後良く伸びているとはいえ勝負所の行きっぷりが悪い。ソールオリエンスも相変わらず追い込み一手。勝負が全部終わった後で伸びてきているだけの印象が強い。

一番素質を感じるのは5歳ローシャムパークだけど、函館記念とオールカマーを勝ってさあこれからと言うときに秋のGI戦線を全部見送って、香港Cではかかって惨敗という流れが悪い。今回はかからないように抑え気味に出るだろう。そうすると内枠で後方待機と言う大阪杯の負けパターンに陥ってしまう可能性が高いのでは。

3番人気プラダリアは堅実だけどピリッとした脚がなくて、2200以上のタフな長距離戦で浮上してくるタイプ。このレースに求められる適性とは違う気がする。3連勝中のミッキーゴージャスは小柄な牝馬で初の56キロ。これまで唯一の大敗が55キロのオークスだし、条件は厳しい。スタニングローズとジオグリフも復活の手応えは掴めていない。

 

本命はステラヴェローチェ。追い込み馬のイメージだったけど、1年半ぶりに復帰したマイル重賞で先行策を取って好走したのには驚かされた。デビュー2戦目で大外一気がハマって以来すっかり後方待機策が板についていたけど、もともとデビュー戦ではマイルでかかり気味に先行して勝ち切っていた。朝日杯ではレコードの前残り決着の中で唯一後方から0.1秒差まで詰めたように、短距離向きのスピードの持ち主。前走大阪城Sでもトップハンデ58.5キロを背負って3番手から抜け出す正攻法で久しぶりの勝利。並ばれてから抜かせない力強い走りだった。今回はCWの追い切りで自己ベストを大幅に更新して、本格的に復調気配。エフフォーリアとタイトルホルダーが同世代に生まれて朝日杯→クラシック三冠→有馬記念を2,3,3,4,4着とフル好走した実績が示す通り、大一番向きの実力の持ち主。後方策でGIで2,3着止まりだった馬が先行策で悲願の勝利というのは何度も繰り返されてきた競馬のお約束。単勝11倍台の人気は正直おいしくないけど、最近はみんな馬券上手なので逆らわない。連勝なら実質15倍台なので悪くない。

 

対抗はべラジオオペラ。ダービーでも本命に推したように、皐月賞の大敗は外からポジションを積極的に取りに行った結果他馬に絡まれたり、勝負所で逆手前でヨレているうちに外差しの流れに巻き込まれた結果で参考外。ダービーでは1枠1番だったのに後方に控えてしまって上がり最速でタイム差なしというもったいない結果に終わった。チャレンジCでは3歳馬ながら57キロを背負って古豪ポッケリーニを撃破。この世代としてはトップレベルの能力を持っている。一方で京都記念は後方で大事に乗りすぎてプラダリアを捕まえられず、最後はむしろ失速した。2200のタフな競馬は長すぎる。1800-2000がベストでまさに大阪杯向き。

 

 

あとは鞍上問題。有力ジョッキーがドバイに行っているので、普段のGIとは騎手のメンツが一味違う。

人気のローシャムパーク戸崎圭太とタスティエーラ松山弘平はリーディングでは上位だけど、戸崎は関西GIだと勝率は3.6%まで下がってしまい、1‐3番人気で( 0 2 0 8 )と信頼感に欠ける。松山もGIの大舞台は勝率3.2%。それもほぼデアリングタクトの実績なので回収率は23%しかない。

それに比べれば、リーディングでは目立たなくてもステラヴェローチェ酒井学とベラジオオペラ横山和生の方がやはり面白いと思う。

酒井学は芝重賞勝率4.4%だけど、回収率は134%でこれまで多くの穴を開けてきたベテラン。とはいえそれもほとんど人気薄にばかり乗っているためであって、1‐3番人気に乗っても( 5 4 2 9 )で勝率25%で回収率117%としっかり期待に応えられるタイプ。ハクサンムーンで何度もGIを賑わせたように思い切った先行策が取れる。

横山和生は芝重賞成績は勝率7.5%の回収率41%と決して良くないけど、これもほとんど人気薄に乗っているから。1-3番人気に限れば( 11 4 0 13 )で勝率39%、回収率166%としっかり結果を出すタイプ。大阪杯ではダノンザキッドで穴を開けた経験もある。

 

◎ステラヴェローチェ

○ベラジオオペラ

▲タスティエーラ

△ローシャムパーク

 

◎○馬連で勝負。50倍つかないのか。安いなー。でも逆らわない。

あとは▲△のどちらか一方を2,3着に加えた三連単。