有馬記念

有馬記念 - 続・回収率300%を研究

上は去年の有馬記念予想。中山2500は道中のどこでペースが落ちてどこで上がるかによっていくつかのパターンに分類できる。近年の有馬記念で増えているのは、残り1600で上り坂を迎えても十分にペースが落ち切らないパターン。セイウンスカイ、ファインモーション、キタサンブラック、タイトルホルダーなど、人気も実力もある強い馬がレースを作るときにこのパターンに陥ることが多い。この展開では強い逃げ馬でも最後は息切れして捕まってしまう。

今年の有馬記念も、ラストランで悔いのない競馬に徹するタイトルホルダーはまた同じパターンに陥ってしまうのでないか。阪神中長距離GIで圧倒的な実績を持つものの、レース運び自体はシンプルで、自分より格下の馬を体力的に振り落とすだけ。グランプリ有馬記念の舞台でそれをやれるほど力は抜けていないし、強敵相手に中山2500を押し切れるほどには人馬ともに器用じゃない。

 

息の入りにくい展開になるとしたら、勝ち切るためにはスタミナに裏付けられた確かな地力が必要。その点で、今年の3歳牡馬二騎は力量不足に映る。菊花賞を圧勝したドゥレッツァが出てくれば別だったけど、他は世代レベルが怪しい。

 

そうするとやはり古馬王道路線組から。

 

ジャパンC最先着スターズオンアースは、今回まともな枠なら1番人気かと思ったけど、まさかの大外16番。これで一気に6,7番人気まで評価が下がった。

ただ結果的にこれでルメールがやることは一つに絞られた気がする。好スタートを決めて、前半から少々脚を使っても好位を取りに行くしかない。実際ルメールは、同様にスタート直後にコーナーがあって外枠不利な菊花賞でも今年17番枠からドゥレッツァを勝利に導いた。20年の有馬記念でも13番フィエールマンを道中2番手、16年の11番サトノダイヤモンドも3番手でレースを進めた。05年のハーツクライ先行策は今も語り草。ルメールは有馬記念を勝つために必要なポジション取りを熟知している。

 

スターズオンアースと言えば、秋華賞に大阪杯と、2連続でスタートで後手を踏んで取りこぼした。特に大阪杯の末脚は際立っていて、これは相当な器だと思い知らされた。それだけに次にヴィクトリアマイルを選んだ陣営の戦略には驚いたけど、本番で好スタートから5番手につけてしっかり好走したのにはなお驚かされた。陣営は練習を重ねたことを何度も強調している。距離適性が合わない牝馬限定マイルGIにわざわざ照準を絞ったのも、ゲート対策を重ねた結果として速いレースを経験させたかったのではなかろうか。その成果はジャパンCでも十分に発揮され、17番枠から好スタートを決めて内に切れ込んで4番手を確保。もはや昨秋とは完全に別馬になっている。

もう一つ、スターズオンアースにとっての懸念点は、東京のような広いコースでないとなかなかスムーズに加速できないこと。多分中山コース自体は向かない。しかし今回はタイトルホルダーが引っ張るので楽なペースにはならない。そして上位人気と下位人気では馬の実力差も離れているように見えるので、ジャパンCと同様に、実質レースに参加できる馬は少なくて縦長のバラける展開になるのではなかろうか。それなら最早コース適性より地力の高さがものをいう。

 

最後に、馬体重について。

有馬記念 - 続・回収率300%を研究

上は2020年の有馬記念予想。グランプリを勝ち切るには前走時点で馬体が減っているようでは厳しい。仕上げ過ぎのせいか最後の大一番で余力がなくなってしまう。その点でスターズオンアースは、前走も含めてこの一年馬体を増やしつつパフォーマンスを上げている点を高評価。クロノジェネシスを彷彿とさせる成長ぶりに本命を託したい。

 

 

同じく8枠を引き当てたスルーセブンシーズは、こちらはスタート難を抱えているので、スターズオンアースとは対照的に一旦最後方につけるしかない。そうすると今の馬場ではかなり厳しそうだけど、もう一つ対照的なのは、狭いコーナーを回りながら一気に加速するのが天才的に上手いこと。ペース次第ではアドマイヤモナークするところが見れるかも。そう言えばダイワスカーレット→アドマイヤモナークの08年も、両方8枠の逃げ→追込み決着でしたね。

長距離王者ジャスティンパレスは能力は確かだけど、本格化した昨秋以降、昨年の有馬記念だけ見せ場なく敗れている点が気がかり。ビリっとした脚が使える馬ではないし、中山は向かないんだろう。スタミナ勝負で浮上してくる可能性は十分だけど、一番人気でマークされる立場だし、横綱競馬でしっかり勝ち切れるかというと2,3着止まりではという気はする。

ドウデュースは内の絶好枠を引き当てた。叩き3戦目が一番強いようだし、阪神での走りを見ても右回りに不安はない。むしろ不安があるとしたら折り合いと距離適性。鞍上が武豊に戻って、前半折り合いに専念して後ろに下げることも十分考えられる。そうすると勝ちからは遠ざかりそう。武豊の有馬記念はよほど力が抜けていない限り好走止まりが多い。

 

 

◎スターズオンアース

○スルーセブンシーズ

▲ジャスティンパレス

△ドウデュース

 

ヒモと買い方は直前まで悩みます。何か一頭抜けている気がしなくもない。3着あたりにはタスティエーラや他の穴馬が食い込むかもしれないし、できれば三連単よりも馬単1,2点に絞りたいけども。

 

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追記。思ったより時計がかかるようなので、持ち時計の速いドウデュースとディープ産駒のジャスティンパレスの評価を下げた。その分タスティエーラを追加。

 

◎スターズオンアース

○スルーセブンシーズ

▲タスティエーラ

△ジャスティンパレス

△ドウデュース