皐月賞

今年の皐月賞は戦歴にあまり傷がついていない馬が多くて史上空前の混戦模様。どれもキャリアが浅くて、少頭数やスローペースしか経験していない馬が多い。これまでのレースの通過順位を見るとやたら先行馬が多いように見えるけど、実際は出走頭数が少なすぎただけ。皐月賞本番で突然フルゲート18頭になって、似たような能力の馬が集まって、中山の狭いコース、しかも道悪。勝負所でスムーズに行き場を確保するだけでも大変なはずで、これまでとは全く違う展開でも力を発揮できるかどうかがカギになりそう。

ここまでの主要レースを古馬と比較すると、大体2勝クラスと同程度かそれ以下というケースがほとんどなので、現時点での世代レベルは例年よりかなり低めに映る。まだ底を見せていない大物感が辛うじて残っているのはソールオリエンスとタッチウッドか。ただソールオリエンスは最内枠で捌きにくそうなので、人気を考えると消し。タッチウッドも鞍上が武豊なので、折り合い重視でダービーに繋がる競馬をするんじゃないですかね。

ファントムシーフはホープフルSで動けずに負けているあたり、ここで人気に応えるほどの自在性はないと判断。トップナイフは京都2歳SホープフルSも実質勝っていたような惜しい競馬だったので期待したかったけど、弥生賞が案外。使い詰めだし馬体も減っていて調教も軽いので、上がり目を期待しにくい。ダノンタッチダウンも朝日杯のレベル自体が怪しいし、2000はせいぜいこなす程度で上がり目は望みにくいのでは。ゴールドシップの生き写しかのようなマイネルラウレアも面白いんだけど、この馬が来るほどの極端な展開にはならなさそう。シャザーンも気になるけど騎手がこの難しいレースを乗りこなすには頼りない。

人気サイドで買いたい馬は、フリームファクシとタスティエーラ。フリームファクシのきさらぎ賞古馬2勝クラスを優に超えている。先行して抜け出す脚の速さと、後ろから追いすがられてなお突き放すあたりに、強豪相手でも正攻法で戦える強さを感じる。タスティエーラは弥生賞で4角を回りながら一気に抜け出す脚がいかにも中山向きだと思った。松山弘平も中山はかなり得意で信頼できる。あとは主要トライアルで唯一真っ当なペースで流れたスプリングS組。これもほぼ準オープン級の時計。ベラジオオペラとホウオウアマゾンはそれまで逃げ・先行ばかりだったのが控えてもしっかり対応してきたあたりに好感が持てる。

ただどれもオッズを考えて本命を打ちたいほどの熱い期待は持てなかった。実はグラニット本命も一度本気で考えたんだけど、距離が持たないか。でも人気よりは見せ場を作って結構粘るのではないかと思っていて、そうするとグラニットを見ながら2番手で競馬を進める馬がいればチャンスが大きくなる。

 

本命はショウナンバシット。

やたら人気がないけど、安定した先行力とそこから長い末脚を繰り出すことが出来る能力の持ち主。すみれSでは2番手で先行していたのに4角で行き場を失って最後方まで下がるという珍展開だったけど、それでも2着まで追い上げた。上位馬とそれほど能力差は無いように思える。不安材料はむしろ鞍上の方。かつてのGIハンターぶりもすっかり影を潜めて出遅れが非常に目立っていて、特に今年は一段と成績が悪い。ただそれでも中山だけはそこそこの成績なので、やっぱり中山が合うんだろう。大型の馬ほど体幹がしっかりしていてデムーロでも出遅れにくいという説があって、実際大型馬の方が成績が良い。内枠だから揉まれてはまずいこともはっきりしているし、GIならやる気も違うだろうから、ここはうまく好位を取ってくれることを期待したい。

最後に大穴で、前走ショウナンバシットを苦しめたラスハンメルまで押さえておく。道悪が得意なようだし、追い切りの迫力が良い。スムーズに先行出来て上がりのかかる馬場なら、もしかしたら。

 

◎ショウナンバシット

○フリームファクシ

▲タスティエーラ

△ベラジオオペラ

△ホウオウビスケッツ

△ラスハンメル