ダービー

今まで皐月賞からダービーへ向かうクラシック戦線はいろんな流れやパターンがあったけど、各路線からやってきた馬の実力差が皐月賞ではっきり表れるケースが多かった。今年ほど見事な人気馬の一騎打ちを見せられた記憶はあまりない。ダービーもまあよほどのことがない限りこの2頭ですかね。

皐月賞ではコントレイルに軍配が上がったけど、サリオスは前走初の2000だったし内の先行馬にはきつい展開だったはずで、実力はどちらも甲乙つけがたい。1.5倍と4.9倍ほどの実力の開きはないだろうという点、前回はサリオスが前につけて迎え撃つ立場だったけど今回はコントレイルが全馬からのマークを一身に受ける立場になった点、お互いの騎手の判断能力と勝負強さの差、中山2000の稍重から東京2400良馬場へと距離延長かつ高速化することに関する父方の適性、などを考えると、サリオスの方が買いかなという気がする。

 

問題は3着争い。トライアルでめぼしい馬が出てこなかったこともあって、ルメール武豊デムーロあたりを配してきた馬が人気を集めているけど、全然買う気にならない。

皐月賞3着ガロアクリークが有力ではなかろうか。キンシャサノキセキ産駒という地味な血統のせいか、これまで最高でも6番人気にしかなっておらず、今回に至っては前走よりさらに人気を下げて10番人気という低評価。確かにデビューから3戦目までは特に見るべき点が見当たらないんだけど、スプリングSの弾け方は凄かった。超スローの展開で上がり33.8の末脚を繰り出して外から一気に差し切って、ヴェルトライゼンデ、サクセッション、ファルコニアといった活躍馬を一蹴して完勝している。あまりにもそれまでのレースぶりと違いすぎたのでこの時点では評価が定まらなかったけど、続く皐月賞では一転して厳しいペースの耐久戦になってそれでも見事に3着を確保。全く違う展開だった2戦両方でこれだけ好走したのだから素直に現在の実力を認めるしかない。ここでもう一度好走して世代3番手の座をハッキリさせる可能性は十分あると思う。

あとは皐月賞4着馬ウインカーネリアン。単勝360倍という超大穴ながら見せ場たっぷりの4着だった。それも2番手で先行して粘り込んでの見事な内容。逃げたキメラヴェリテが17着大敗して、3,4番手で先行して14,10着と大敗したビターエンダーとディープボンドがその後プリンシパルS京都新聞杯を勝っているように、先行馬に厳しい展開だったのは明らか。2番手から好走してみせたこの馬の実力は高く評価せざるを得ない。この馬もデビューからしばらくの間は大した見せ場がなかったけど、弥生賞で出走権を取れず一走挟んだ1勝クラスのレースでは3番手から上がり最速の末脚を繰り出してサクラトゥジュールに0.4秒差をつけて圧勝していて、今見直すとなかなか立派な走りをしている。1.50.0という勝ち時計がいかにも今一つな印象を与えるんだけど、3月の中山開催後半はかなり時計がかかっていた。同じようなペースで流れた前週スプリングSが1.49.8でほぼ同タイム、同日古馬2勝クラスでは道中1秒近く速く流れていたのに1.50.1だったわけで、これらと比較すると先行策から独走して1.50.0は結構な好タイムと言える。先週のオークスでも2,3着にははウインの渋い先行馬が穴を開けているし、スタミナを問われる展開になるとスローの末脚勝負しかしてこなかった馬たちがこの馬を交わすのは結構難しいかもしれない。

 

◎サリオス

○コントレイル

ガロアクリーク

△ウインカーネリアン