AJCC

本命はトミケンスラーヴァ。

逃げたレースでは( 3 2 1 1 )で、着外に負けたのは馬体16キロ増の太め残りだった1戦だけ。逃げていないレースでの( 2 0 1 26 )という地味な成績とは全く違っていて、ハナに立ったときだけ別馬のように能力を発揮できるタイプ。1800や2000ではダッシュ力が無いのでなかなか逃げる機会がないけど、最近は長距離戦を使うようになって先手を取れる機会が増えて、8歳の老齢にして見事連勝を決めて重賞の舞台にやってきた。

とはいえ血統的には短距離馬。タイキシャトル産駒のオープン・重賞成績は芝1800以下では( 32 30 28 361 )で勝率7%の回収率91%となかなかの数字だけど、2000では( 1 5 5 36 )と急落して、2200以上に至っては( 0 0 0 11 )とまるで勝負にならなくなる。そんな中でこの馬が前走3000メートルを逃げ切ってみせたのはこの血統の常識を覆す快挙だった。本質的にはもう少し短い距離の方が合うはずで、2200の非根幹距離戦は主導権を握ってマイペースに持ち込むのにおあつらえ向きの舞台ではないか。

今回のメンバーで他に逃げる気がありそうなのはマイネルミラノだけ。ただこの馬も最近は意図的に控える競馬も増えてきたし、最近は特にダッシュがつかないシーンが目立つ。夏馬だし調子は良くないようで、もしマイネルミラノが控えるようなら、トミケンスラーヴァの単騎逃げが叶うかもしれない。少頭数でお互いが否応なく意識し合う展開の中、上がりのかかる今の中山で、無欲の逃げがハマる可能性がある。 鞍上は中山重賞で3度単勝万馬券を演じた稀代の穴男。最近大人しかった分そろそろ爆発しても良い頃。

 

◎トミケンスラーヴァ

○ミッキースワロー

 

トミケンスラーヴァが粘るなら、相手はマイネルミラノとの行った行ったではなく、ダンビュライトのしぶとい粘り込みでもなく、超スローの馬群から抜け出してくる末脚自慢の追い込み馬。ミッキースワロー1頭に絞ろう。有馬記念に出ていたら本命を打っていたかもしれない、現役最強馬候補。セントライト記念だけ見るとディープインパクト系らしい上がり勝負が武器だけど、未勝利戦の勝ちっぷりを見ると時計のかかる馬場も問題なさそう。