セントライト記念

道悪の2200となれば当然注目はクリンチャーなんだけど、ダービーで露呈したのはこの馬は本当に全くスタートダッシュがきかないということ。積極的な競馬をした皐月賞でも、スタートは悪くなかったのにしばらく8番手あたりを進み、1角までの長いスタンド前を通ってようやく3番手まで押し上げた。それより前に行ったトラストとアダムバローズがいずれも外枠から内の馬を抑え込む形で前に行ったので結果外枠のクリンチャーも前に行く流れができたものの、この馬一頭だけの場合、多頭数の競馬ではどこまで先手を取れるかは常に怪しい。ダービーではスタート直後に押っ付けるも前に追いつきそうな勢いはなく、6番手のまま1角を迎えて、後は外から抑え込まれてなすすべもなく沈んだ。東京2400のように1角までの距離が短いコースでは先手を取るのは今後もかなり厳しいだろう。
今回の中山2200は1角までかなり距離が長いので十分時間を取ることは可能だろうけど、他に逃げそうな馬もいるし、外から被される形になるとダービーの二の舞になってしまう危険性もある。まあそれでも2,3番手から回ってこれれば恥ずかしい競馬にはならないと思うんだけど、もう少し面白い穴馬を探したい。


ストロングレヴィルはどうだろう。5戦して( 1 2 0 2 )だけど、デビュー2戦目で果敢に挑んだスプリングSは前潰れの流れで惨敗。前走は鞍上のティータンが酷すぎた。ティータンからの乗り替わりは勝率15%の回収率210%というデータもある。
500万条件の東京2400で2連続2着だった内容がそこそこ見どころがあったと思っていて、5月のレースでは早めに加速して先頭に立つも最後内を突いたサーレンブラントにギリギリ差されて2着。稲城特別では楽逃げしたサンデームーティエにクビ差まで迫るも交わし切れず2着だった。勝った2頭はここで5,6番人気という穴評価を受けているのに、この馬は13番人気に甘んじている。
セントライト記念は基本的には前走GIや重賞に出ていた馬が強いレースで、条件戦から来た馬が来ることは稀。しかしその中で条件戦上がりでこの舞台でいきなり活躍する馬の多くは先行馬。後ろの直線勝負では中山2200では届かない。ある程度の位置につけて早めに抜け出して押し切る正攻法が必要なレース。その点でサーレンブラントよりもこの馬の方が評価できる。サンデームーティエのように先手を取れる方が穴を開けやすいかもしれないけど、サンデームーティエの前走はあまりにも逃げ馬が有利な馬場状態で楽逃げできたことが大きい。今度まともに戦えばストロングレヴィルが先着する可能性は十分ある。


皐月賞馬アルアインは強い馬で当然外せないんだけど、ダービーでは伸びきれなかったし、あくまで1600-2000の馬という印象。距離適性やスピード適性を考えると、道悪の中山2200は得意条件ではなさそう。
サトノクロニクルは過去6戦全て1番人気になっているようにちょっと過剰人気気味。しぶとく走るけどあまり強いと思ったことがない。あと中山2200の重賞は内枠の成績がなかなかに悪い。内で揉まれると厳しいかも。
それよりはミッキースワローの方が面白い。このコースで強い勝ち方をしていて、京都新聞杯も5着とはいえ0.1秒差。最後もう一伸び出来なかったけど初輸送の影響もあったかもしれない。前走も福島1800の超スローで最高峰待機という無茶な乗り方で同タイムの3着まで追い上げた。今回菊沢一樹から横山典弘に乗り替わってもう少し前で競馬ができるなら一気に有力候補。でもこのコースは後ろから行くと届かない。菊花賞に向けて脚を測るような競馬をするかもしれないし、人気的にせいぜい押さえまで。


◎ストロングレヴィル
○クリンチャー
▲アルアイン
△ミッキースワロー
△サンデームーティエ


普通に考えればクリンチャーかアルアインを頭にしてストロングレヴィルはヒモで十分なんだけど、あえて軸にしてみた。というのも今年は「穴で買うなら一番面白いんだけど軸にはできないな」と思っていたレーヌミノル、エポワス、カフジプリンスとかがしっかり好走して、本命馬が惨敗して悔しい思いをするケースが多い。よほど自身のある本命がいない限り、「気になった馬の中で一番人気のない馬から買う」くらいのスタンスが丁度良い気がしてきた。