ジャパンC

先週あたりから東京の馬場はかなり内が残っていて、土曜にいたっては外は極端なほど伸びなかった。
にも関わらずなぜか馬群は直線で横に大きく広がってしまう現象が続いていたけど、さすがに日曜午前のレースを見ると馬群もタイトになって内でごちゃつくシーンが目に付くようになった。内が空くようならヒットザターゲットがラチ沿いに潜り込んで伸びてくるシーンが面白いけど、さすがにこの枠から馬群を割って来るのは難しいだろうか。


近年のジャパンCも内枠有利の傾向が顕著だ。外枠から馬群の外を回して飛んできたのはブエナビスタとかオルフェーヴルくらい。基本的には内の馬を狙いたい。
あとは脚質もある程度前目のポジションを取れるに越したことはない。二桁通過順位のまま後方でジッとしていて差しきった馬というと、過去30年振り返ってもディープインパクトとジャングルポケットくらいしかいない。9番手くらいまで含めてもアルカセットやスペシャルウィークが出てくるくらい。07年のアドマイヤムーン以来、勝ち馬はほぼ5-6番手以内につけて直線スムーズに抜け出した馬ばかり。後方でジッとしていては勝ち負けの流れに加われない。


この舞台で1枠1番を引いたラブリーデイはさすが勝ち運に乗っている気はする。ただどうしても距離不安はつきまとう。一瞬の抜け出す脚は素晴らしいけど最後はしっかり失速するし、3000は持たないこともハッキリしていてスタミナにも不安がある。例年ジャパンCは、息の入らない厳しい流れになるか、あるいは超スローで流れても早めのスパートがかかるので、結果かなりスタミナを要求されるレースになる。超スローで32秒台の上がりが使えた京都大賞典とは違う。天皇賞でも行きたがる面を見せていたし、他馬の出方次第では最悪押し出されてハナを切る可能性すらあると思うので、全幅の信頼は寄せにくい。ただ総合力が高く競馬が上手なので、単勝3倍以上なら悪くはないオッズだとは思うけど。


他に内枠で探すと、近走勢いのない日本馬よりは、トリップトゥパリス、イラプトら外国馬2頭が目に付く。イラプトほどは人気していないけど、トリップトゥパリスも母父にファンタスティックライトがいて、オーストラリアのコーフィールドCやメルボルンCで好走していることを思うと日本の長距離戦とは相性が良いかも。


大穴ならジャングルクルーズか。
最初は外国馬かと思ったほど場違いな感じの17番人気だけど、戦績を見返すとなかなか面白い。長らく500万条件で勝てなかったけど、東京2400の条件で2連勝。特に昇級の1000万条件はほとんどろくに追わないままの楽勝で、それまでとは馬が変わったかのような走りだった。道悪の早春Sこそ惨敗したものの、半年ぶりの復帰戦だった札幌の準オープンも楽勝だった。少し間隔が空いたけどむしろ間隔を空けたほうが走るタイプ。6歳ながらまだ上がり目がありそうな感じだし、前につけてしっかり伸びる脚質もいいし、枠も内目のいいところを引いた。
ジャングルポケット産駒はこれまでジャパンCでオウケンブルースリ、トーセンジョーダン、ジャガーメイルらが馬券圏内4回、掲示板に6回上がっている。今年は日本馬が弱い、でも外国馬もパッとしないなら、こういう格下馬を狙ってみても面白い。


◎ジャングルクルーズ
○ラブリーデイ
▲ヒットザターゲット
△トリップトゥパリス
△イラプト
△ショウナンパンドラ


勢い余って本命にしてしまった。ほかに軸にしたい馬がいないせいだけど。
ジャパンCは出走馬のレベルとペース、距離とコースのせいか、他のGIや同距離レースと比べてかなり特異なレースになってきていると思う。エピファネイアがジャスタウェイを寄せ付けずに圧勝したり、完全にピークを過ぎていたトーセンジョーダンやジャガーメイルが粘りこんだり、デルタブルースやザッツザプレンティ、トレイルブレイザーが好走したりする。普通の中長距離重賞では簡単にキレ負けしてしまうような馬でも、厳しい流れと東京の緩やかな坂、長い直線を利用して浮上してくることがある。かといって阪神や中山のような重い芝も急坂もなく、距離も長すぎないから、単なるステイヤーやジリ脚馬では間に合わない。天皇賞後の疲労でピークを過ぎる馬もいるし、多頭数を捌けずにうまく流れに乗れないまま終わる馬もいる。
準オープンを楽勝する勢いがあって、大レースでの疲労もなくここに照準を定めてきたジャングルクルーズなら、枠と脚質の利も含めれば、上記の馬たちと同程度以上の走りができるかもしれない。