ヴィクトリアマイル

このレース予想のお約束は、中距離から距離短縮してきた馬は信用しないことだと思う。例外的に中距離寄りの馬が勝った例というとノームコア1着クロコスミア3着の19年とアーモンドアイぶっちぎりの20年が思い浮かぶけど、これらは道中56秒台で飛ばして1分30秒台中盤で決着するという極端な高速決着だった。勝ち時計歴代3位の1.31.0をマークしたグランアレグリアが勝った21年も2着以下には中距離重賞組が入っていた。これくらいハイペースで厳しい展開になるとスタミナが必要になるかもしれない。ただ今年はメンバー的にも逃げ馬不在で、それほどハイペースにはなるまい。前半58秒で行けば前目につけたマイラーが残ると思ったほうが良いのでは。

そうすると、出遅れ癖に加えて内枠を引いたスターズオンアースはやはり消すのが筋か。前走はかなり強かったけど、桜花賞はギリギリだったし、中距離でこそ強さを発揮する印象が強い。ソングラインも消し。キズナ産駒は全体的に見ても加齢につれて成績が明らかに下がっている。この馬自身、昨年春の勢いを感じない。

人気サイドで買うならソダシか。圧倒的な東京マイル適性の持ち主。ただこれも昨年秋の走りからは若干の衰えを感じなくもなかった。半年ぶりのローテも疑問で、そこそこ人気しているし重い印を打ちにくい。

 

買いたいのは強い4歳世代でもっと前目で競馬できそうな馬たち。

本命はサウンドビバーチェ。この馬は以前から高く評価していてオークスでも秋華賞でも重い印を打ってたのに放馬。相手関係に恵まれた前走阪神牝馬S単勝13倍もついたのに買わなかったのが痛恨の極みだった。前走買わずにここで買うのも悔しいんだけど、今回もあまり人気はしないようで、メンバー的にも単騎で逃げる形になりそう。過去に一度だけ逃げを打った紫苑Sでは直線入り口でスタニングローズに捕まる厳しい展開だったけど、それでも最後まで食らいついて同タイムの2着。3着ライラックや4着サークルオブライフを寄せ付けない強い内容だった。普段逃げない実力馬がマイペースで逃げを打てるときは要警戒。このレースで過去に逃げ馬が勝ったのはヴィルシーナだけだけど、大穴が僅差で2,3,4,5着に粘り込んだことは何度もある。今年の東京も例年より一層逃げ馬の好走が目立っているのでチャンスは十分と見た。

相手はナミュール。3歳春までは少頭数のキレ味勝負でのみ勝てるトライアルホースという印象だったけど、馬体を20キロ増やした3歳秋以降は決して得意条件とは思えない舞台でもきっちり走るようになった。今年得意舞台の東京新聞杯で56キロを背負わされながら同タイムの2着。ウインカーネリアンが快調に飛ばして後続がほとんど力尽きるなかで、5番手で先行しながら唯一最後まで末脚を伸ばしたのがこの馬だった。マイルでの自在性なら今やスターズオンアースよりこちらの方が上。

あとはスプリント路線からナムラクレア。距離自体は十分持ちそうな印象で、それよりも良い脚が一瞬しか使えなくて直線後半では脚色が鈍るのが悩みどころ。1200だと後方に置かれがちだけど、この距離なら難なく前目に付けてその分脚を溜められる可能性があるかも。

 

 

サウンドビバーチェ

ナミュール

▲ナムラクレア

△ソダシ

△ララクリスティー