エリザベス女王杯

人気サイドから穴馬まで有力馬が多く、予想しがいのある面白いレース。

変則阪神開催のエリザベス女王杯も3年目。過去2年がいずれも典型的な後方待機の外差し競馬に終わっているし、同コースGI宝塚記念が中距離戦とは思えないほどタフなレースになることを考えても、今年も外差しが既定路線かと思っていた。しかし土曜の阪神競馬は後半3レースが全て逃げ切り。そして日曜の雨。考える要素が多すぎて悩ましい。

 

とりあえず本命はピンハイ。デビュー当初は全然人気が無かったけど、チューリップ賞2着、桜花賞5着、オークス4着。この馬のレースを見ていると、直線後半、いろんな馬が力尽きて惰性で走り始める頃にこの馬だけ異常な伸びを見せることに気づく。競走への意欲が相当旺盛だし、何より出し切れていない力をまだまだ残している印象を受ける。秋華賞を除外された後の前走西宮Sでは、デビューから騎乗していた高倉稜から川田将雅に乗り替わって、これまでの鬱憤を晴らす快勝。それも完全に勝ちパターンに嵌っていたノースザワールドを並ぶ間もなく差し切る凄まじい末脚だった。時計を見ても秋華賞組に見劣らないどころか格上のパフォーマンスに見える。トップ騎手への変更に加えて、53キロの斤量も良かったと思う。少し絞ればいつ400キロを割り込んでもおかしくない超小柄な馬体。この馬体で55キロのクラシック戦線を堅実に戦ってきたことにも恐れ入るけど、エリザベス女王杯では3歳馬は54キロで出走可能。この1キロは大きい。そしていつかデータとして集計したように、道悪になると小柄な馬の回収率は急上昇する。騎手変更、斤量、そして道悪のこの条件なら、秋華賞上位組を一気にねじ伏せる姿が想像できる。

 

前目の馬が残る展開の中で、後ろからはピンハイだけが突っ込んでくる展開を想定。前潰れ展開を想定しだすとヒモが全く絞れないというのが正直な理由なんだけど。穴の先行馬が意外に残るところに一番強い差し馬がすっ飛んでくると言うシーンは、エリザベス女王杯でこれまで何度も繰り返されてきたパターンではある。

 

ということで対抗は逃げ馬ローザノワール。昨年芝に転向してすぐのクイーンSの逃げっぷりがなかなかだったのが印象深いんだけど、その後田中勝春が乗るようになって逃げの能力が開花した。田中勝春は逃げると強い。ヴィクトリアマイル4着も立派な内容だったし、今年のクイーンSもタイム差なしの3着。落鉄とスタートで躓いた前走は度外視できる。マンハッタンカフェ産駒は非根幹距離でこそ強い。人気馬にわりと後方待機組が多いので、楽に離して逃げさせてもらえるようなら、残るチャンス十分。

 

復調してきたウインマリリンも気になる。札幌記念は十分評価できる内容だった。過去2年とは雲泥の差のデキにあるのなら当然有力候補。しかし雨はどうなんだろう。力を見せるも適当に負けてもらってからの有馬記念で一発、というのが理想なんだけど。

 

デアリングタクトは強い馬だし道悪もこなすけど、前走が外を回したとはいえ負けすぎの感。ピンハイとは対照的に、勝ち切る気合いに欠けている気がする。ジェラルディーナは前走少頭数の内枠で全てがハマって鮮やかに勝ちすぎた気がする。牡牝混合重賞で普通に上位に来る馬は今回下位人気にもゴロゴロいるので、やや人気しすぎた感。中長距離G2で毎回上位という点では、ウインキートスあたりにもチャンスがあると思う。

 

◎ピンハイ

○ローザノワール

▲ウインマリリン

△ウインキートス

△スタニングローズ

 

あとは人気でもスタニングローズか。秋華賞組はエリザベス女王杯で人気を裏切ることも多いけど、先行できるタイプの場合は信頼度が高く、回収率も良い。

直前の雨模様を見てから買う余裕があれば、ヒモは変えるかも。