日本ダービー

皐月賞を3馬身差以上で圧勝したのはナリタブライアンオルフェーヴル以来というとことで、よほどのことがない限りエフフォーリア2冠で間違いないだろうと思っていたんだけど、枠順を見たあたりからだんだん不安になってきた。ダービーは1枠が圧倒的に強いということはよく知られていてむしろ盤石のようにも見えるけど、問題は今の東京の馬場状態。決して内が良くない。

当初Aコースで施行された2週は極めて内有利で、1枠が( 7 1 0 24 )で勝率22%の回収率275%という圧倒的な数字を誇っていた。しかし3週目NHKマイルCの週にはすっかり様子が変わっていて、4週目にBコースになってからは1枠は( 1 3 3 24 )で勝率3.2%の回収率15%。2枠も勝率3.2%、3枠も勝率6.1%の回収率15%に留まっており、一気に外枠有利になっている。GIレースでも人気の有力馬が内で伸びあぐねるところを外から差し馬が豪快に飛んでくる様子を何度も見てきた。そして今週、6週目を迎えてCコースになった土曜競馬もさらに外差し傾向が強まったように見えた。そして時計はさらに高速化。500万下の芝2400で記録された2.23.8はダービーとしても歴代有数の速さ。1000万条件のマイル戦では前半58.4と決して速くないペースから1.32.8を記録。最後方から大外一気を決めた勝ち馬の上がり33.0という数字も、もっともっと時計短縮が可能であることを示している。ダービー本番は2分21秒台の決着だろうか。

外の馬場が極めて速く、Cコースで馬場の良い外を回して異常なほど速い上がりを繰り出す馬が出てきている。この時計の速さもエフフォーリアにとっての課題。過去4戦、高速馬場で走ったことが無い。共同通信杯でかなり強いメンバーを倒しているにも関わらずエフフォーリアの評価が上がりきらなかった理由の一つが、タイムがそれほどでもなかったことだと思う。そして皐月賞も道悪のスロー。エピファネイア産駒の他の活躍馬デアリングタクトやアリストテレスを見ても、高速決着で強い印象はない。高速馬場で極限の上がりを繰り出してくるディープインパクト産駒を長い直線で振り切ることが出来るだろうか。

もう一つの不安点は騎手。横山武史は上手い騎手だと思うけど、22歳は若い。「ダービーはベテラン騎手が強い」という傾向は以前から囁かれていて、近代競馬で20代でダービーを制したのは藤田伸二(26)、武豊(29)、デムーロ(24)だけ。かつて父・横山典弘が31年前の日本ダービーメジロライアンで一番人気に推されて負けたときも22歳だった。今の難しい馬場状態と徹底マークの中で最内枠からうまく捌けるだろうか。

 

 

本命はサトノレイナス桜花賞で1.31.1のレコード決着に最後方から詰め寄ったのには驚いた。高速マイルに適性の高い馬がスピードで押し切ろうとする展開の中であれだけ追い上げられる馬はこのメンバーにはいないかもしれない。特に最後の1ハロンの伸びが凄い。ウオッカの快挙から14年経って、牝馬のトップが牡馬を上回ることは何も珍しくなくなった。これからは当たり前のように牝馬がダービーに挑戦して勝つ時代がやってくるんじゃなかろうか。

対抗はアドマイヤハダル。デビュー当初と比較して若葉Sの勝ち方が鮮やかすぎた分、皐月賞では実力は半信半疑だったんだけど、外に出してよく健闘したと思う。皐月賞3番人気4着だった馬がダービーで12番人気は人気を落としすぎの印象。ロードカナロア産駒だし高速馬場も多分合うだろう。

あとはレコード決着だった毎日杯組のディープインパクト産駒2頭。特にグレートマジシャンはその前のセントポーリア賞でも見事な走りを見せていて大物感を感じる。

 

◎サトノレイナス

○アドマイヤハダル

▲グレートマジシャン

△シャフリヤール

 

エフフォーリアも実力は確かなので大崩れしなさそうだけど、内に拘ったらどうなるかわからないし、高配当狙いで一か八か消しちゃおう。

こんな馬場じゃなかったら本当はバスラットレオンを買いたかった。