NHKマイルC

今週は新潟勝負のつもりだったけどこっちにも手を出してみるか。注目はやはりレシステンシア。近年このレースは逃げ馬が3勝しているけど、メジャーエンブレムミッキーアイルのような力の抜けた馬でさえ最後わりと詰め寄られているし、カレンミロティックの年は強風で上がりが異常にかかる特殊条件だった。高速決着になると逃げ・先行馬には厳しいコースで、ダノンシャンティのレコードだけでなく、ケイアイノーテックやマイネルホウオウのような伏兵が後方から突き抜けるケースもある。ただ土曜の府中が見事に内有利の前残り馬場だった。この馬場で外を狙うのもおかしい気がするし、さてどうしよう。

 

本命はプリンスリターン。この馬に初めて目を付けたのはシンザン記念だった。牝馬サンクテュエールの最内強襲に負けたとはいえ、交わされてから追いすがって譲ることなく最後まで叩き合いに持ち込んで3着以下には4馬身の差を付けている。こういう並ばれてから屈しない馬は強い。その3着コルテジアがその後きさらぎ賞を勝って皐月賞7着だからなおさら価値がある。前走のアーリントンCもハイペースの差し競馬の中で、2番手から4角で先頭に立つロングスパート。タイセイビジョンには離されたものの2着馬とはクビ差だし、他の後続は完全に競り潰していてかなり強い競馬をしていると思う。

朝日杯でも単勝350倍級の大穴ながら5着に健闘していた。レースぶりも決してスムーズではなく、道中8-9番手のポジションにつけていたのに勝負所で挟まれて最後方集団まで取り残されてしまい、そこから態勢を立て直してジリジリと進出して掲示板をもぎ取ったという内容。スパッと切れないもののかなり長い脚を使えることが特徴。今回はレシステンシアの1つ外の2枠4番という絶好枠に入ったことで、ルメールを前に行かせながらその後ろの絶好位を確保できそうだ。これまで2番手を確保したレースは( 2 1 1 0 )と凡走なし。前に強い馬がいて叩き合いに持ち込める展開はこの上ないベスト条件だと思う。

上の原田和真は当時がGI初挑戦。ここまで全く陽の目を見なかった26歳ジョッキーがようやく掴んだチャンスがこの馬だそうで、今となっては死語となりつつある人馬一体感もいい。奇しくもこの馬のこれまでの3連対全て相手はルメールだった。最後の直線でトップ騎手を苦労人が交わしてアッと言わせる場面が見たい。東京マイルGIと言えば後藤浩輝柴田大知北村宏司秋山真一郎、藤岡佑太、藤岡康介、勝浦正樹松岡正海など、苦労人ジョッキー涙の初GI制覇がよく似合う。

 

◎プリンスリターン

○レシステンシア