青葉賞

末脚自慢で戦績に傷があまりついていない馬が何頭も出てきたけど、スローの長距離戦で相手に恵まれて勝ちあがってきた馬ばかりという印象で、大物感はほとんど感じない。
この相手ならマイネルハニーが一番強いと思うんだけど思ったより全然人気していないので勝負してみたい。


マツリダゴッホ×ナリタブライアンという渋すぎる血統でクラシック登録すらしてなかったようだけど、逃げたときは( 2 1 1 0 )で全く崩れていない。道悪のデビュー戦とフリージア賞では逃げて最速の上がりを叩き出して直線で後続を7馬身、4馬身と大きく引き離した。いずれも東京コースでの圧勝で、前半のリードを活かして逃げ粘るというより、長い直線でも止まらない息の長い脚を使えるタイプ。2勝とも道悪だったとはいえ、当該週で逃げ切った馬はいずれもこの馬だけ。決して逃げやすい馬場だったわけではない。


何より前走のスプリングSが秀逸。淀みないペースで逃げてそのまま粘りこみ、ゴール前ギリギリで交わされたものの2着入線。断然の人気を集めたロードクエストが差し損ねたことで単なる前残りレースと思われたかもしれないけど、2,3番手で追走した馬たちは最下位とブービーに沈んだし、決して前に楽なレースではなかった。
このときの勝ち馬マウントロブソンは超ハイペースの皐月賞でも果敢にリオンディーズを追いかける先行策に打って出て見事6着。エアスピネルと0.2秒差、後ろから来たナムラシングンには先着し、そこからさらに0.4秒離れてロードクエスト以下が続いたわけで、皐月賞の「5強」に次ぐ確かな地力の持ち主であることを示した。そのマウントロブソンと比較してもスプリングSでギリギリまで粘りこんだマイネルハニーの逃げっぷりは強い。1.48.1の勝ち時計も過去10年ではロゴタイプの1.47.8に次ぐ2位。ロゴタイプの13年よりは明らかに今年の方が馬場は重かったはずで、時計的にも能力の高さは疑いようも無く、そのペースを自分で作って粘りこんだのだからフロックでも何でもない。


今回は初めての2400だけど、1600で逃げたベゴニア賞ではこの馬自身は止まっていないのに最後差されて負けてしまったので、もっと距離が伸びた方が止まらない末脚を活かせるはずだと思う。同型ノーブルマーズがいるけど逃げに拘るタイプではないし、こちらがハナに行く気を見せれば競りかけて来ないだろう。ほかは追い込み一辺倒の馬が多い。スタートを決めてハナに立ってしまえば十分押し切れると思う。
近年青葉賞で逃げて勝った馬というとアドマイヤメインとルゼル、あとはアポロソニックの2着がある程度だけど、そもそも他にまともな人気で参戦した逃げ馬がいない。実績十分のこの馬ならチャンスは大きい。



◎マイネルハニー
○メートルダール



相手はメートルダール。共同通信杯は一番大外を回して3着。この週の東京は逃げ馬が4勝を上げたようにかなり内有利な馬場だったはずで、このレースだけ見れば勝ち馬ディーマジェスティとも遜色ないと思う。京成杯もスローの前残りで4角絶望的な位置取りから直線一気で3着入線。このレースで追い込んで速い上がりを記録したもう1頭のナムラシングンもその後出世して皐月賞で7着に入っている。
2歳時から崩れたことが無く後方一気で鋭い脚を繰り出していて、クラシック戦線でもしっかり活躍してる馬なので、てっきり1番人気になるのかと思っていた。スローの500万条件をちょっと勝ち上がったばかりの馬たちの方が人気しているのが不思議。



ほかの人気馬にはなかなか食指が動かない。
プロディガルサンは東京スポーツ杯でスマートオーディンに並ぶ間もなく交わされていたし、このレースでこの馬と拮抗した馬たちのその後の成績も散々だ。芙蓉Sでクビ差先着したブランスシャルマンもマイネルハニーに完敗している。さらにこの馬自身は骨膜炎で半年休んでいたわけで、調教で動いたからと言ってここでいきなり通用するだろうか。何年か前のレッドレイヴンとイメージが被る。
レーヴァテインは兄弟青葉賞3勝がかかるけど、ここまでの2戦は超超スローから速い上がりを繰り出しただけで、もう少しまともなペースで流れた時にどれくらい走れるかは全くの未知数。前走上がり33.0とはいえ、1800の通過が1.54.9で、ヴァンキッシュランとシュペルミエールも同等の上がりを記録している。この2頭とも他のレースではこのようなキレ味は全く見せておらず、どちらかと言えばジリ脚タイプ。そんな馬でもこれだけスローなら速い上がりが使えてしまうのでアテにならない。
そのヴァンキッシュランはロングスパートになったアザレア賞を好時計で勝っていてペース次第では侮れない存在だけど、このとき同タイムで2着したジュンヴァルカンはその前のフリージア賞でマイネルハニーに4馬身離されたわけで、やはりマイネルハニーの方が強く映る。フリージア賞はダイヤモンドSと同じ日だけど、雨が酷くなったのはフリージア賞が終わった後で、このレースまではそれほど極端な馬場の影響はなかったと思っている。
ここ2走マクって勝っているアルカサルは面白そうだけど、調教師の追い切りのコメントが弱気。裂蹄もあるようだし、状態が不安でもクラブ馬だしダービートライアルは回避しにくいのかもしれない。
レッドエルディストは最近青葉賞に直結している大寒桜賞の勝ち馬。高速馬場で前が残りそうなところをしっかり捕らえきっている点は評価したいけど、それを加味してもようやくヒモ候補の一角といったところ。


◎○の馬単折り返し2点で勝負するか。買い方に悩む。