ディセンバーS

本命はゲイルスパーキー。
前走キャピタルSでは息の入らないペースで馬群を引っ張って、しぶとく逃げ粘って5着入線。後方待機馬が上位を独占する馬場と展開の中で前に行って粘ったのはこの馬だけだった。前々走の時点でも内を突いてそこそこ伸びて復活の気配を感じさせていたし、前走からブリンカーを装着した効果も大きかったと思う。
次はどこに出てきても買うつもりだったけど、まさか阪神Cに登録すらせずに中距離のここに挑戦してくるとは思わなかった。一見距離もコースも合わないようにも思える。しかし調べてみるとかなり面白い。


サクラバクシンオー産駒の成績を距離別に見ると、1300以下では勝率11〜12%、1400〜1500では勝率10%、1600〜1800では勝率7〜8%前後、そして2000になると一気に2%にまで下がる。1600と1800の数字にほとんど差はなく、マイルがもつ馬なら1800まではこなすと見ていい。
特に中山の芝1800は勝率12%、連対率24%で、「バクシンオーは中山苦手」という定説からは信じられないくらいの好成績を収めている。むしろ中山1200や中山1600よりも遥かに成績が良い。特にここ2年は( 2 2 1 2 )で連対率が5割を超えている。
他の競馬場の1800と比べれば、中山の1800はスピード志向が強くて先行力が活きやすい分、短距離血統の馬に向いている。それでいてペースが上がりすぎることはないので、ハイペース必至の中山1200のように息の入らないまま直線の急坂を迎えることもない。急坂が不得意なバクシンオー産駒にとっては中山1200よりよほど相性がいいようだ。


ゲイルスパーキー自身の中山の成績は、マイルのみで( 1 0 1 3 )。着外の3戦は全て差しに回ったレースで、先行した時は堅実に好走している。仲冬Sでは好メンバーの中で堂々の3着。決して中山を苦にしない。
もともとサクラバクシンオー産駒の中ではかなり短距離色が薄い馬で、ペースを落として先行した時に一番の強さを発揮するタイプ。1400では先行できないまま沈んだり、東京では瞬発力勝負に屈することも多かった。中山1800は未経験だけど、距離延長でこの馬にとって前走とは比較にならないほど楽な展開で逃げることができる。他の競馬場の1800ほど直線のキレ味を求められることもない。実はベストに近い適性があるんじゃないかと見ている。


さらに鞍上の後藤浩輝もこの中山1800は大の得意で、これまでに中山記念3勝のほかオープン特別4勝を上げている。
特に逃げた時の通算戦績は( 11 7 1 9 )。勝率39%、連対率65%、単勝回収率294%という、滅多に見られないほどの驚異的な数字を持っている。今年の春にピンクカメオを2着に持ってきたのも記憶に新しい。


ハンデ55キロも、3歳馬との年齢差を思えば実質最軽量でかなり恵まれている。さらに今のデキと脚質の利をいかせば押し切れる可能性は十分。
連の売れ方から見ると、恐らく最終的に4番人気、単勝7倍くらいはつきそう。多少物足りないけど9頭立てならこんなもんだろうか。


◎ゲイルスパーキー
○ティアップゴールド
▲トウショウシロッコ


中山の芝の状態を確認してから勝負したいけど、今日はゆっくり競馬見れないのが痛い。


相手は実績からはトウショウシロッコだけど、トップハンデだし、人気の割には勝ちきれないところがある。
むしろティアップゴールドが怖い。前走でも◎を打ったように素質はかなり評価している。その前走も出遅れがなければ勝ち負けになっていたはず。左回り( 0 0 0 4 )から右回り( 2 1 2 0 )に替わるのは大幅プラス。距離延長の多頭数なので、仮に出遅れたとしても大きなマイナスにはならない。