アイビスサマーダッシュ

梅雨の終わり際に延々と降り続ける北陸地方の雨。天気予報の雨雲画像を見るとなんとなく萎える。夏の新潟競馬はあいにくの不良馬場で開幕した。
日曜日の朝一番に雨が止んで、一応不良から重に変更された。その後曇り空の下で少しずつ乾いていった芝コースは、アイビスサマーダッシュの発走1時間前にようやく良馬場発表が行われた。
しかしメインレース前に嫌がらせのようにまた降り出す横殴りの雨。
15時22分、小雨発表。その6分後、小雨から、雨。逆戻り。


6回目にして最大の16頭が集まった今年のアイビスサマーダッシュの出走メンバーの中で、重馬場or不良馬場で連対経験のある馬はサチノスイーティーとキーンランドスワンしかいなかった。勝ちタイム55.7は土曜の1000万よりも遅く、普段でいうと未勝利レベルの数字。にも関わらず後続は詰めよることもできず、差は開く一方。5着ダイワメンフィスですら57.0という有様。ほとんどの出走馬が濡れた道悪競馬への耐性がなかった*1
勝ったサチノスイーティーの騎手・鈴木直人は「馬なりで先頭に行って、いつでも突き放せる楽な手応えだった」と、重賞初制覇らしからぬ余裕のコメント。前走、重馬場の1000万条件戦で軽々と突き抜けた道悪実績をもっと評価すべきだったか。


これだけ雨が降って着差の大きい競馬になると、「斤量比」もほとんど関係なかった。効果のほどは次回以降に持ち越しということで。ホーマンテキーラのプラス30㌔には少し笑ったけど。
使い詰めでカイ食いが落ちていると言われていた3歳牝馬マリンフェスタはマイナス12㌔。スタートダッシュも失敗して6番手からの追走。手応えも悪く万事休すかと思われたが、最後まで伸び続けて2着でフィニッシュした。こういう競馬もできるのか。デビューからしばらくは勝ち上がるのにさえ苦労した馬だが、思った以上に奥が深い。ファイトコマンダーの半妹で、サクラバクシンオー×ミホシンザンというアンバランスな血統構成。面白い馬になりそうな気がする。




函館スプリントSのビーナスラインに続き、またも1000万までしか実績のない馬に重賞タイトルを献上してしまったサマースプリントシリーズ。年明けからしばらくはこの路線のレベルの低さを「準オープン勝てれば即、通用」とか揶揄してきたが、それどころではなくなってきた。1000万を勝った馬なら、あとはその他の適性さえあれば通用する。先が思いやられる。
来月には小倉1200に短縮された北九州記念がある。しかもこれまでの別定戦とは違って、ハンデ戦。500万勝ちしかないマルブツブリザードでも何とかなりそうで怖い。

*1:エイシンへーべが出てたら面白かったと思う