NHKマイルC

単勝オッズが6倍を超えるほど人気が割れるGIって珍しいなと思って調べたら、一応過去にもありましたね。パッと思い浮かぶ人は凄いと思う。古いところでは史上最弱世代との呼び声も高い89年の日本ダービー。ただこの当時は24頭立てなので今とは少し状況が違う。最も1番人気の単勝が高かったのは2012年の安田記念で、サダムパテック単勝6.6倍。このときは14番人気ですら単勝29倍に留まるほどどれが勝ってもおかしくない混戦で、実際2,3,4着には13,15,17番人気が入線している。

今回は上位陣の人気が割れていて、6.0-6.7倍の狭い間に1-4番人気馬がひしめいている点が面白い。クルゼイロドスルが出てたらもっと凄いことになっていたかも。

 

自分が馬券を検討するときは「このレースで勝負を分ける最重要ファクター、穴馬券を探すための最重要ファクターは何なのか」から考えることが多いんだけど、今回は天候が占める度合いが大きい気がする。といっても明日の東京競馬場の雨は昼頃から降って1mm/h程度なので、せいぜい小雨で、馬場はそんなに悪化しないと見た。それよりも問題なのは「風」の方かも。明日も南南東の風が平均5mほど吹き荒れる様子。東京競馬場1600はスタートがほぼ真東向き、直線がほぼ真西向きなので一見ほぼ直交している。ただ夕方には風向きが北風へと180度方向を変えるようで、間では東からの風という予報。もしかしたらGIの時間帯にはスタート地点で強い向かい風、直線で強い追い風になるかもしれない。

JRA東京競馬場の1時間天気 - 日本気象協会 tenki.jp

そうするとスタートダッシュで強い向かい風を受ける逃げ・先行馬にとっては厳しく、最後の直線では一転して追い風になるので末脚が伸ばせる差し・追込みタイプの方が有利かもしれない。一方で今回の出走馬はわりと逃げ先行馬が多い。先週も土曜競馬で逃げ切りが目立ったし、前目で勝負してくる馬が多いかも。折り合いに不安のある人気馬もいる。これは大穴の匂いがしてくる。

 

本命はダノンタッチダウン。前走皐月賞で5.5秒もの大敗を喫したけど、大敗後にすぐここに出てくるあたり、単に重馬場で無理させなかったせいだろう。過去の皐月賞で考察したように、540キロ級の超大型馬にとって重馬場・不良馬場は想像以上に厳しい。

皐月賞 - 続・回収率300%を研究

明日は馬場自体はそこまで悪化しないのではないかと思っていて、ちょっと雨が降って内が悪くなっても外は綺麗なまま走れるのではなかろうか。そして風という点ではパワーのある大型馬の方が悪影響を受けにくいのではないかと想像する。直線でスピードに乗ったところで追い風になるようなら、この条件を最も味方につけるのはこの馬かも。単勝はちょっと売れてるけど連勝系を見る限りでは実質6番人気。これなら鞍上の勝負勘も含めて期待感の方か大きい。兄も中山で惨敗して次にコロッと復活するタイプだし、弟もそうなるかも。

 

外差し競馬になった時に大穴で面白いと思っているのは16番人気ミシシッピテソーロ。最近のテソーロ軍団の躍進ぶりを考えても侮れない。阪神JFでは単勝221倍の超大穴ながらリバティアイランドをぴったりマークして一緒に追い込んできて、最後は突き放されたけど5着に健闘している。前走ニュージーランドTでも前目の決着の中で後方から追い込んで0.5秒差5着。デビューからの2連勝の内容もなかなかに秀逸で、いずれも大外一気の追い込みを決めている。長く脚を使うというより、一瞬の鋭い脚で一気に距離を詰めてくる瞬発力タイプ。こちらはダノンタッチダウンとは100キロ以上馬格が違うかなりの小柄な馬だけど、その分馬群を避けて間違いなく大外一気に賭けてくるだろう。その勢いが追い風に乗ってくるようならヒモ穴候補筆頭。鞍上の柴田大知もかつてマイネルホウオウで一発かました実績がある。

 

◎ダノンタッチダウン

ミシシッピテソーロ

▲ナヴォーナ

△モリアーナ

△ウンブライル

オオバンブルマイ

 

他の外枠は前に行きそうな馬が多い。差し馬ならオオバンブルマイだけど、前走でその後ろからほぼ一緒に伸びて来たナヴォーナも少キャリアながら侮れない。あとは内枠の牝馬2頭も脚質的に外に回してきそうな気がする。武藤から乗り替わる横山典が怖い。