秋華賞

ソダシの総合的な実力の高さは疑いようもないんだけど、ソダシに限らず今年の3歳馬は全体的に非常に強くて、古馬を圧倒している。層が厚い世代ほど2冠、3冠馬は出にくくて、秋になると新たな強豪が本格化してくるのが競馬界の常。そう簡単にはソダシの独走を許さないのではなかろうか。

特にソダシの場合、前走札幌記念をスローペースのまま実質逃げ切ってしまったという点を懸念している。トライアルをスローで逃げてストレスなく楽に勝った馬は、GIで人気しがちだけど勝率が非常に低い。GI本番では受けるマークとストレスが全く違うため、前走勝ってしまったことが逆にマイナスに働くと思う。典型的な例は同じクロフネ産駒の牝馬アエロリットで、牡馬相手にGIで何度も好走し、国内全18戦で15回掲示板に載った堅実な実力馬だったけど、クイーンS毎日王冠を楽勝で逃げ切った直後のGIに限って人気を裏切って惨敗している。

クロフネ産駒の重賞成績も、ソダシがようやく2000で勝ったけど、距離がベストではないことに加えて道悪では良馬場よりも勝率が半減する。厳しいマークを受けたまま内で馬群に呑まれる可能性が高いんじゃなかろうか。

 

外から豪快に末脚を伸ばせる馬を探したい。近年の秋華賞は差し馬が非常に強くなったし、阪神2000もGII以上では差し、追込みが良く届く。

桜花賞オークスでも高く評価してきたファインルージュを買いたい。オークスの惨敗で距離がダメなのかと思ったけど、紫苑Sを外から差して圧勝した勝ちっぷりから、ここは大丈夫だろう。

福永はファインルージュよりもアンドヴァラナウトを選んだようだけど、これはアンドヴァラナウトがずっと福永のお手馬で、ファインルージュはルメールに実質戻っただけと考えて良いのでは。アンドヴァラナウトもかなりの素質馬だと思うけど、前走はスローでよく切れたという印象。それまでもワンターンコースで先行抜け出しのスムーズな競馬をしてきた馬で、多頭数GIで小柄な馬体で未知の斤量を背負ってとなると前走のようにはいかないのではなかろうか。

ユーバーレーベンもオークス後に故障があって始動が遅れた様子。アカイトリノムスメは狙い通りのローテかもしれないけど、それでもオークスからのぶっつけローテが気になる。これまでこのローテで勝った5頭は、テイエムオーシャンカワカミプリンセス、アーモンドアイ、クロノジェネシス、デアリングタクトと、春の時点で力抜けていてさらに大幅馬体増で更なる成長を見せていたというパターンが多い。この5頭以外でオークス直行組は( 0 0 1 31 )。アカイトリノムスメは調教後馬体重が前走と同じで、輸送でさらに減るだろうから結構厳しいのでは。

 

もう一頭買いたいのはアナザーリリック。重馬場のアネモネSでは外からただ一頭豪快に伸びて差し切った。疲労があって桜花賞を回避したそうで、NHKマイルCの敗退もその影響か。休養明けの準オープン・佐渡Sでは上がり33秒2を繰り出して圧勝。2着馬も直後オープン入りした実力馬で、3着馬モズナガレボシは次走小倉記念を勝っている。このあたりの古馬をまるで相手にしなかったのだから通用する可能性は十分。

血統的にはリオンディーズ産駒。もうリオンディーズ産駒がGI出ている時代だというのに、先週のマカヒキ5年ぶりの復活劇は感動しましたね。2月にはエアスピネルフェブラリーSで2着に来ていて、2歳でも8歳でもGIで連対するという前代未聞の大記録を達成。あの世代をちょうど懐かしんでいたところで、ここでリオンディーズ産駒が穴を開けてくれると一層面白い。津村にもそろそろGIを勝ってほしいところ。

 

◎アナザーリリック

○ファインルージュ