宝塚記念

宝塚記念と言えば「上がり最速の馬が強い」という印象がある。いつだったか詳しくこの日記で考察したはずだけど探し出せなかった。

00年以降の宝塚記念で、上がり最速を記録した馬の成績は( 11 10 0 1 )。勝率50%、連対率は驚異の96%である。こんな重賞は他にはない。他のレースで「上がり最速 」が「 勝ち」に直結するのは、3000級の長距離戦か、少頭数の2歳重賞ばかりである。宝塚記念は一見2200の中距離戦だけど、重めの馬場、短めの直線、非根幹距離などいろんな条件が重なって、東京や京都の中距離GIとは全く適性が必要になる。長い直線で32秒台でキレる末脚ではなく、ロングスパートから最後まで伸びる差し脚を持った馬にチャンスが生まれる。

今年人気を集めるクロノジェネシスは早めに進出して力で押し切るタイプ。特に今回は人気を分け合うレイパパレが前にいる。気分よく行かせると前走の再現が起こってしまうので、今回ルメールが早めに捕まえに行くだろう。去年の宝塚記念でも有馬記念でも、クロノジェネシスが中盤から一気に仕掛けることで、ヒモには追い込み馬を連れてきている。今回も大外一気の追い込み馬が浮上するチャンスがあるのではなかろうか。 

 

そこでカデナを狙いたい。ここ1年くらいずっと気になって注目していたんだけど、ようやく大きい舞台で勝負できそうなタイミングが来たように思う。

馬群を捌くのが苦手な馬で、少頭数の展開でなければ狙えないタイプ。13頭以下では( 2 3 0 4 )。着外4戦も、GI大阪杯の4着&6着と毎日王冠4着、天皇賞8着と健闘している。特に今年の大阪杯は、勝負所でうまく馬群を捌けていれば、大穴を開けたのはモズベッロではなくこの馬だったのではないかと思っている。前走の安田記念では最低人気だったけど、最内を突いて陣営が「一瞬勝ったかと思った」というほどの見せ場を作って6着だった。明らかに距離不足かつ極端な上がり勝負の中で最後方からこれだけやれれば十分。7歳にして調子はかなり上向いている。今年の宝塚記念は回避馬が相次いで13頭立ての少頭数。一世一代の走りを見せるならここしかない。

今回、鞍上は松山弘平に乗り替わり。松山は昨年のGI戦線で牝馬三冠を達成する傍ら、フェブラリーSサンライズノヴァで3着、スプリンターズSでは10番人気アウィルアウェイで3着、有馬記念でも11番人気サラキアで2着と、GIで追込み馬をきっちり馬券圏内に持ってくる実績を積み上げている。今回カデナを導くのに最もふさわしい。

 

 

◎クロノジェネシス

カデナ

▲カレンブーケドール

 

 

3頭目もカレンブーケドール一頭に絞るか。天皇賞は距離が長すぎたと思うけど早めに先頭に立って受けて立つ強い競馬だった。

カデナが届く展開ならキセキやモズベッロも抑えた方がいいかもしれないけど、このへんはよほど道悪にならないと厳しい気がする。アリストテレスも低レベルな4歳世代でちょっと過剰評価気味に見える。

レイパパレはあっさり勝っても驚けないけど、前走気分よく逃げて勝った馬が次走GIで人気を集めてマークされるのは厳しい。体重も軽いので56キロもどうだろう。