菊花賞

先週の秋華賞はケンしてしまったけどもしかしたらデアリングタクトは危ないんじゃないかと思っていた。コントレイルの方はトライアルも万全だったし、負けるところがちょっと想像つかない。

福永は直近のインタビューでコントレイルのことを隙の無い馬、個性のない馬と表現した。父ディープインパクトのように飛ぶようなストライドで大外一気を決めるでもなく、オルフェーヴルのようなピッチ走法で急激にギアを上げてねじ伏せるでもない。好位を確保して直線きっちり抜け出す競馬はシンボリルドルフに近いのかもしれない。

ディープインパクトはスタートが悪く馬格も小さいため馬群に入れるようなことはせず、とにかく他馬に干渉されるのを避けて大外一気の競馬が多かった。結果的に大一番の2着馬にはインティライミアドマイヤジャパンポップロックなど先行馬を残すケースが多かったと思う。オルフェーヴルは何度もウインバリアシオンを連れてきたように、先行馬を総崩れにして2着に差し馬を連れてくることが多かった。このあたりの乗り方は武と池添の違いも影響していたと思う。コントレイルも一戦だけムーアが手綱を取った時は別馬のような激しい走りだった。

無敗の三冠に挑む福永は、菊花賞エピファネイアで2013年に勝っている。今年はメンバー構成的にもエピファネイア菊花賞とよく似ている気がする。一頭だけ力の抜けた福永騎乗エピファネイアが2枠3番の好枠を引き当てる。春のライバルは不在で、2番人気はトライアルでエピファネイアの2着に追い込んできたマジェスティハーツ。3番人気には夏に急上昇してきた逃げ馬バンデ。馬場は決して速くない。エピファネイアがスタートから早々と3番手のポジションを確保してバンデを射程圏に捉えながら直線で悠々と抜け出して5馬身差圧勝。粘ろうとするバンデを6,7番手で先行していたサトノノブレスが捉えたところがゴールだった。

大舞台のプレッシャーを何度も経験して悠然と最後方に構えられる武や、血気盛んで自己アピール力の高い池添と違い、福永はとにかく慎重派。マクリ気味に前を捕らえるようなことはせず、好位を確保したら直線を向いて進路を得るまではジッとしているのではなかろうか。こうなると後方待機の馬にはチャンスが巡ってこない。コントレイルとほぼ同じ位置、あるいは前に付けて直線で脚を伸ばせる馬を探したい。

 

逃げて4連勝のバビットは今回キメラヴェリテがいるので逃げられそうにないけど、本格化する前にも逃げて負けたり、先行して無難な競馬ができているので、それほど大きな問題にはならなさそう。並ばれてからとにかく粘るタフな末脚を使える馬。ナカヤマフェスタ産駒はガンコやヴォージュなどステイヤーが目立つので血統背景も問題なし。ダンスインザダーク産駒がほぼ尽きてしまった今、菊花賞向きのステイヤーと言えばステイゴールド系ということになるんだろう。

あとは京都新聞杯を勝っていてダービーや神戸新聞杯でも先行馬として唯一好走したディープボンドか。

もう一頭、ガロアクリークも押さえておきたい。スプリングS皐月賞では見事な末脚を見せていた。その後ダービー、セントライト記念で伸びなかったことを見ると血統的にも距離の壁を感じずにはいられないんだけど、エアスピネルセイウンワンダーのように短距離向きと思われて人気を下げた実績馬が食い込むこともある。枠の利を活かして脚を溜められればヒモ争いに加わってもいい。

 

◎コントレイル

〇バビット

ガロアクリーク

△ディープボンド