中京記念

今年の競馬界で注目されている人と言えば藤原英昭調教師。長らく名門厩舎として知られていたけど、開業18年目にしてリーディングトレーナー争いのトップを独走している。注目されているのは勝ち鞍の多さだけでなく、むしろアベレージの高さの方。5月以降は多少下がってきたとはいえ、先週までの時点で勝率23.5%、連対率45%というとんでもない数字を維持し続けている。今年連対率2位の中内田厩舎が35%、つづいて角居厩舎と木村厩舎が31%で、200ほどある厩舎の中でこの4厩舎だけが辛うじて30%を超えている状況なわけだから、45%という数字は圧倒的だ。

その藤原英昭厩舎が最も得意としているのが実は中京競馬場である。2011年の改修以前はむしろ中京は苦手な方だったようだけど、改修以降は通算勝率23%、連対率41%のハイアベレージを毎年叩き出してきた。絶好調の今年は当然もっと凄くて、勝率33%、連対率は63%。今週土曜も3戦3連対だったのを加えると、( 6 7 1 5 )で連対率は68%にまで達してしまった。

 

中京記念ではその藤原英昭厩舎が送り込むガリバルディを買いたい。一昨年のこのレースで重賞初制覇。それまでは先行馬として掲示板を外したことが1度しかない堅実派として知られていたけど、中京の直線で後方からの大外一気で末脚が弾けた。しかしそれ以降は次第に出足もつきにくくなって、追い込み脚質が板について成績も不安定になってしまった。それでも去年の京王杯AHでは1.31.9の時計で2着、今年のマイラーズCでも1.32.1で4着に健闘していて、依然として嵌れば重賞で勝ち負けできる高い能力を持っていると思う。7歳なんて今どき高齢のうちには入らない。

この馬が抱えている問題は、500キロを超える馬体になって以降は寒くなるたびに体重が増えて冬場は全く走らない馬になってしまったということ。また道悪もからっきしで、かつて条件戦を道悪のたびに取りこぼし、オープン入り後も道悪のたびに大敗している。しかし4-10月の期間で良馬場のレースに限れば通算成績は( 3 3 1 3 )で、着外はG2マイラーズC4着、富士S0.3秒差5着、都大路S5着の3回だけしかない。

特に前走のマイラーズCは後の安田記念1着馬と5着馬にエアスピネルを加えた3頭を相手にしての4着だから、本来もっと評価されてしかるべき。特に1.31.3のレコードが飛び出る超高速馬場で、前に行った馬がほとんどそのままゴールする展開の中、後方から伸びてきたのはこの馬と勝ち馬だけだった。スタートから出足がつかずに後方で置かれた分のロスが響いたけど、末脚勝負なら上位馬ともそれほど差はなかった。

今回の中京記念のメンバーなら前半ハイペースにはならないはずで、追走にもそれほど苦労しないだろう。土曜の1000万条件で1.33.1だったので重賞なら32秒台。炎天下の良馬場で、直線横いっぱいに広がっての追い比べで、一番末脚が弾けるのはこの馬じゃなかろうか。ちょっと間隔が開いているけどかえって休み明けの方が走る馬でもあるので望むところ。

 

 

ガリバルディ

ロジクライ

▲ウインガニオン

 

馬場は前有利だと思うけど、内は開けて走ってるし、有力馬に追い込み脚質も多いので直線うまくばらけてくれそうな気がする。相手で気になるのは夏馬ウインガニオンと、それをぴったりマークできそうなロジクライ