関屋記念

過去10年振り返って7枠と8枠がそれぞれ( 4 1 2 19 )と( 4 3 1 18 )で勝率15%超という圧倒的な成績を残している、不思議なほど外枠有利のレース。しかし直線の勝負を見ると外差しが多いわけでもなく、そこそこ好位につけていた方がいい。13年のレッドスパーダや14年に同コースで行われた京王杯AHのクラレントなどは内枠をうまく活かした。前半スムーズにポジションをとって後半に向けて脚を溜めることが何より重要だと思っていて、中間の枠で挟まれて馬群で揉まれるのが一番良くない。
下り坂から長い直線を力いっぱい伸びきるためには体重も重要。2000の新潟記念ほどではないにせよ、関屋記念でも馬体が大きい馬ほど連対率が高くなる傾向が出ている点にも注目したい。
今の新潟は土曜朝に土砂降りだったにも拘わらず時計が落ちないなかなかの高速馬場。特に土曜は芝7戦中逃げが( 3 2 1 1 )と大活躍。逃げ以外でもとにかく内の馬が目立った。日曜も内のポジション争いがいっそう厳しくなりそうで、となると最初から内にいて被せられるよりは長い向こう正面を使って外枠から内に寄せていける先行馬が有利だろうか。



逃げるのはおそらく過去21戦一度もハナを譲っていないマルターズアポジー。新潟改修以降の関屋記念で逃げて馬券に絡んだ馬は過去5頭いて、改修直後の時期を除くといずれも59秒台中盤のスロー展開に持ち込んでのもの。それ以上速いペースになると他馬の目標になる不利の方が大きい。あまりスタートがうまいタイプでもないのでいかに前半ペースを落とせるかがカギ。この馬自身わりと溜め逃げができるタイプで、実際に過去に新潟マイル1000万下でギリギリまで粘りこんだ実績もある。1800での強さに対して2000であまりにも脆いことを思うと、本来は1600の馬だろう。右回りと比べて左回りはかなり安定感が下がるのであまり強気になれないけど、後続もこのコースで早めにマクって来ることはあり得ないので、前半次第では粘りこむ可能性があると思う。


8枠を引き当てたのはウインガニオン。逃げて頭角を表した馬かと思っていたら前走は2番手で我慢してロングスパートで見事な押し切り。まだまだ底を見せていない。速い時計になったときに不安はあるけど、先行して長い脚を使えるので自分で展開を作れるタイプだし、ここも引き続き期待してみていいんじゃなかろうか。


マイネルハニーはエプソムCで見事復活したけど、1600は短いだろう。京都記念もこの馬自身バテていないのに早々と捕まってしまったし、前走も超スローからの末脚勝負でマウントロブソンに捕まった。時計のかかる2000がベストの馬が時計の速い1600でも来れるなら、場所を選ばずもっといろんな舞台で活躍していると思う。
メートルダールはちょっと過剰人気気味と思って消してしまおう。前走は超スローでマクリ気味に仕掛けて勝利。一瞬の脚で勝負を決めたけど最後はあまり伸びなかったように見えた。ここはあと2秒近くタイム短縮が求められる。血統的にもこの距離ではスピード不足ではなかろうか。
ロードクエストもまだまだ過剰人気に見える。少なくとも復帰戦は特筆すべきこともなかったので当分は静観したい。
ダノンプラチナは休み明けから走るけど、もう5歳。走りの威圧感は年々薄まっている。差し有利の展開ではひと際目立つ脚を使えるけど、前が残る展開では伸びきれないし、自身が前に行くと脚が鈍る。内枠をよほど活かせない限り厳しいのでは。


去年1,2着のヤングマンパワーとダノンリバティは位置取り次第で今年も有力だと思う。
ヤングマンパワーは夏場向きで新潟巧者。今年もマイラーズCで一線級相手に僅差3着と力は衰えていない。安田記念は惨敗したけど、外枠からスタートの遅れを挽回しようとするうちにハイペースに巻き込まれてスムーズさを欠いた。厳しいながらもマイペースで行けたロゴタイプ以外の先行馬は全滅したレースなので度外視できる。57キロだけど馬格のある馬だしあまり気にしないのでは。石橋脩への乗り替わりをどう評価するかだけど、今年新潟で大活躍中なので期待したい。
ダノンリバティも新潟巧者。ちょっと穴人気してるけど、前走も伸びない外を回して5着だしここも見せ場は作るはず。ただ斤量込みでも地力はヤングマンパワーの方が上か。


先行馬が残る展開でも一頭くらいは差し馬が届くことが多い。後方からならブラックムーンか。脚質的にどうしても安定しないけど長い直線での差し脚は優に重賞級。時計勝負も望むところ。
あとは新潟マイルといえばフジキセキ。ロサギガンティアは去年の関屋記念で果敢にハナに立とうとするも結局レッドアリオンに途中から絡まれてスムーズさを欠いた。それでも5着に来たし適性はありそうな気がする。前走は重馬場で外差しの展開の中で内を突いて負けたけど差は大きくなかった。今までずっと人気過剰気味だった馬がここに来て激しく人気を落としたので念のため押さえておきたい。



◎ウインガニオン
○マルターズアポジー
▲ヤングマンパワー
△ダノンリバティ
△ブラックムーン
△ロサギガンティア



ちょっと点数広がりすぎるけど◎と○の頭固定三連単を薄く流すか。