阪神JF

かつてスエヒロジョウオー-マイネピクシーで馬連史上最高配当を記録したのももう25年前。外回り施行になった06年以降はJRAの全GIの中で一番と言ってもいいほど荒れにくいレースになった。阪神外回りマイル戦は一介の早熟スピード馬にはあまりに厳しすぎるコース。逃げ馬が( 0 0 1 10 )というだけでなく、先行馬ですら( 2 3 2 34 )で回収率12%。これほど前が来ないレースはない。クラシックで通用する実力がないとこのコースは乗り切れないので、馬群で溜めて最後きちんと末脚を伸ばせる馬の方が断然強い。

とはいえ、数少ない穴の好走例、クロフネサプライズ、アイムユアーズ、ライステラスなどは先行策を取っていたのも事実。重賞でもこのレースさえ除けば、阪神1600外回りコース自体は逃げ馬の回収率はかなり高い。「このコースを逃げ切れる力のある2歳牝馬が例年はいない」から逃げ馬が来ないのであって、もしそういう力のある馬がいるとしたら、馬券的な狙い目はむしろ前にあると思う。土曜の競馬を見ても今は前が残りやすい馬場状態だと思う。

 

本命はコーディエライト。逃げに転向してから3戦の内容が非常に良い。未勝利戦では逃げながら直線で上がり2位の末脚を繰り出して6馬身差圧勝。2戦目の新潟2歳Sでも逃げて、直線入り口で早々と勝ち馬に捕まる厳しい展開ながらそのまま叩き合いに持ち込んで僅差の2着に粘った。外回りになった過去16回のこのレースで逃げ馬が馬券に絡んだのはマイネルレーニアの3着が一度あるだけ。それだけ新潟の長い直線を逃げ切るのは至難の業であって、史上初めてそこで連対してみせたこの馬は過去の阪神JFで逃げた馬たちとはレベルが違う。休み明けの前走ファンタジーSではかなりイレ込みが激しかったようだけど、三度逃げて0.1秒差の2着。1,3,4着馬がすべて後方待機馬だったことからも負けて強しの内容だった。

鞍上の和田竜二も今年GI戦線で何度も穴馬を上位に持ってきて大活躍中。乗り馬に恵まれているようにも見えないのにリーディング順位は順当に上がっていて、最早一流ジョッキーと呼べる位置までのし上がってきた。ここらでテイエムオペラオーに会いに行ってもいいんじゃなかろうか。

週明けの想定オッズでは4番人気くらいだったけど、蓋を開けると8番人気で単勝20倍程度。まさか同型サヤカチャンよりも人気がないとは。枠のせい?でも前に行く馬はみんな内に固まったし、外から被せながら行ける分むしろプラスかもしれない。

 

 

他を見渡してもあまり大物感のある馬は見当たらない。ロックディスタウンとラッキーライラックのオルフェーヴル産駒2騎が人気を分け合っているけど、この2頭以外ほとんど活躍馬がいなくて苦戦中の新種牡馬オルフェーヴルが果たしてここでいきなりGI勝つかなという気がする。ただでさえ牝馬が大成しないステイゴールド系。まとめて切ってみるか。

 

阪神外回り牝馬限定戦と言えば何と言ってもディープインパクト産駒。と言ってもマウレアは勝ち時計や相手関係からそれほどインパクトを感じない。むしろトーセンブレスの方が面白い気がする。

2戦連続出遅れ中だけど、デビュー戦では後方から断トツの末脚を発揮してごぼう抜き。このとき並ぶ間もなく交わし切った2着プリモシーンは、調教での走りやその後の勝ちっぷりからこのGIに出ていたとしてもそこそこ人気を集めていた馬だったはずで、この勝利は価値が高い。1番人気に押された前走アルテミスSで再び出遅れた上に6着に負けたことで一気に人気を落としたけど、雨が降って完全前残り決着だったわけだし、この1戦で見限るには早い。馬群で我慢させたのが結果的に良くなかったか。通常の阪神外回りなら後方待機の大外一気でも十分間に合う。再びヨシトミ先生に戻ったここで一発ないだろうか。

 

人気サイドではリリーノーブルが怖い。デビュー戦を圧勝。2戦目も重賞で僅差入着している馬たちを全く相手にしなかった。無敗馬の中では一番奥がある気がする。ソシアルクラブが来るとPOG的には嬉しいんだけど、前走はなかなか加速がつかずに弱い相手に薄氷の勝利。まあここでは負けるだろう。

 

 

◎コーディエライト

○トーセンブレス

▲リリーノーブル

 

  

もう3頭に絞ろう。外人騎手が少ない今がチャンス。