秋華賞

今年の3歳牝馬は確たる主役不在の混戦が続いてきた。ここまで3つのGIは終わってみればどれも同じような印象。大して速くもないペースだがその分息をつく間もなく、最後は持久力勝負。結果的に有力馬達も「トライアルホース」と「GI好走馬」に綺麗に分かれたように思う。混戦模様のGIではどの馬も色気を持って挑むため、自然と仕掛けが早くなりがち。長い脚を使えるかどうかの適性が結果に大きく反映する。
恐らく最後の一冠・秋華賞もある程度締まったペースの差し比べになるんじゃないかと思う。特に土曜の京都で内有利・好時計・前残り決着が続いた分、勝ちたい馬は早めに動く。だが出走馬の力量は近年と比較しても極端に低い。もしかしたらブゼンキャンドルが突っ込んできた99年並みの前潰れになるかもしれない。あの年も土曜は前が残っていた。


本命はメイショウベルーガ。前走の人気ぶりにはびっくりしたが、本番では何とか穴党好みのオッズに落ち着いた。
極端にスタートダッシュが下手糞なのが難点だが、最後まで延び続ける息の長い末脚が魅力。内で前が残ったフローラSでは4角ポツン最後方から大外をぶん回して0.3秒差の4着。じっくり溜めれば切れ味も発揮する。夏のクイーンSでは出遅れて大外ぶん回して、2着レジネッタと0.2秒差。ムードインディゴあたりにはきっちり先着した。京都内回り2000ならスタートしてすぐに隊列が決まるので、あせって前を追いかけずに脚を溜めることに専念できそうだ。外枠も吉。
前走ではスタートの出遅れから脚を使ってスムーズさを欠いた。最後は口を割っていて、あれで5着なら立派。たまたま不良馬場での勝ち鞍があるが、あまり道悪が上手なわけでもなさそうなのでその影響もあったかもしれない。
調教後の馬体重は前走からプラス20キロだけど、鞍つけたまま計ったらしいので*1、太すぎるってこともなさそうだ。てか鞍付けたまま計った体重を公表しちゃって大丈夫なのか?


◎メイショウベルーガ
○レジネッタ
▲レッドアゲート


不気味なのがレッドアゲート。時計勝負の実績という点ではこのメンバー中最上位。オークスの敗戦では力の差を感じたが、前に厳しかった展開を考えれば逆転不可能なほどでもないと思う。前走の紫苑Sで人気を裏切ったことで今回評価を下げているが、あの日の中山は逃げ馬が全レースで連対して500万マイルで1.32.5が飛び出るような異常馬場だったので酌量の余地はある。ブゼンキャンドルの年は前哨戦で微妙に差し損ねた馬たちの末脚が本番で爆発した。あの年のクロックワークに似た雰囲気を感じる。