フェブラリーS

混戦模様だけど、買いたい馬とそうでない馬はわりとハッキリ分かれた。


本命はベストウォーリア。
南部杯1,1,2着、かしわ記念2,3着、フェブラリーSは13,3,4着。3歳時にはユニコーンSも勝っていて、左回りマイル戦の実績は十分。堅実な分だけこれまで一流馬相手にはどうしても一歩足りない印象だったけど、今回は上位のレベルは決して高くない。ようやくこの馬の出番が回ってきた。
前走ではカフジテイクの鬼脚に屈したけど、根岸Sは全重賞の中でも最も追い込み馬が勝ちまくるレースの一つで、今年も1,3,4着馬は最後方待機の3頭だった。そんな中で58キロを背負って6番手から堂々と抜け出して、最後はカフジテイクに捕まったものの3着以下を2馬身半突き放すかなり強い内容。東京ダート1600にコースが替われば、追い込みやすさは1400とは全く違ってくる。斤量も同じ条件になるし、次はかなり高い確率でこちらが先着できると思う。
過去2年のフェブラリーSは休み明けぶっつけ本番、特に去年は僚馬モーニンとの使い分けや斤量の面もあって根岸Sを使えなかった。過去4年の中でも今年が一番理想的なローテで挑むことができる。三連複やワイドでは1番人気ながら単系馬券では4番人気という評価だけど、ここは頭から狙えるチャンスだと思う。


カフジテイクは脚質的に信頼度が低いと見て切る。前哨戦で鮮やかな追い込みを決めた馬がGI本番で人気になって沈む例は枚挙に暇がない。唯一、福永から津村に乗り替わって心情的に買いたくなったけど、GIでこのタイプが一番人気を背負うとなるとやはり評価を下げるのがセオリーだと思う。
ノンコノユメは末脚のキレは全盛期より落ちてると思うし、カフジテイクより上の評価はできない。勢いがないのに人気はまだあるので消したほうが良さそう。サウンドトゥルーも1600は短い。
昨年度覇者モーニンも消す。Henny Hughes産駒はこれまでJRAでデビューした14頭のうちモーニン、アジアエクスプレス、ヘニーハウンド、ケイアイレオーネなど結構な割合で活躍馬を送り出しているけど、活躍時期は若いころの一瞬だけ。2,3歳時は勝率20%超で回収率も極めて高いにもかかわらず、4歳では勝率10%、5,6歳では7%、7歳以上になると一度も馬券に絡んでいない。典型的な早熟血統で、今年の期待値は低い。



対抗格はコパノリッキー。前走東京大賞典はかなりのスローペースに持ち込んだものの全く見せ場なく大敗だったので、もう終わった馬かと思って当初は消す予定だった。しかし今回思いのほか追い込み馬に人気が集中して楽に行けそうだし、さらに坂路の追い切りでは52.8の自己ベストを記録。もっともこれは普段は最終追い切りに坂路を使わないからなんだけど、これまで54秒台が最高だったわけだし、体調自体が良さそうなのは間違いない。陣営のコメントを見ても、走る気を最後まで保てるかという自分自身との戦いだと思う。
かつてこのフェブラリーSでは、GI6勝と7勝の実績があった8歳馬ブルーコンコルドやエスポワールシチーが、7番人気や9番人気の低評価ながら2着に好走して穴を演出したことがある。2頭とも、もともとは得意距離は1600だけど全盛期には中距離GIでもトップに君臨していた馬。しかし秋のマイルCS南部杯を制した後、JBCクラシック、JCダート、東京大賞典で惨敗。すっかり人気を落としてからフェブラリーSに戻って復活というパターンだった。これがしっかり今回のコパノリッキーに当てはまる。2度あることは3度ある。1800以上では気力が持たなくなったこの馬も、マイル戦ならまだ戦える。
勝負前日になってゴールドアリュールの訃報が届いた。死んだ種牡馬の仔は走る。このレース3勝目を上げる可能性は十分。


もう一頭のゴールドアリュール産駒、ゴールドドリームも警戒したいところだけど、連勝系では1番人気になっていて、前走といい多少過剰人気かなという気はする。ただチャンピオンズCの敗戦は度外視できるし、ヒヤシンスS、ユニコーンS、武蔵野Sとこのコースで強い相手に先着しているわけで、巻き返しの期待はある。
問題は出遅れ癖。二の脚の速さで何とか盛り返していくタイプで、GIだとポジション争いもしんどくなるし、内枠を引いたのも痛い。鞍上もスタートは苦手。しかし芝スタートの東京1600ではこれまで3度走って大きな出遅れはない。うまく好位を確保できるようなら侮れない。


最後はアスカノロマン。去年重賞2勝、JRAの両GIで3着。特に前潰れのハイペースになったチャンピオンズCの3着はかなり高く評価できる。前走東海Sで負けてまた人気を落としたけど、1000の通過63.7のスローの展開で内で揉まれたままだった。GIのペースを味方につけて巻き返す可能性は十分ある。


◎ベストウォーリア
〇コパノリッキー
▲アスカノロマン
△ゴールドドリーム