ジャパンC

ジェンティルドンナがハイペースのオークスを圧勝してさらにジャパンCでは上がり32秒台の末脚でオルフェーヴルを破ったときにはどれだけ強いのかと驚いたけど、今となってはあのジャパンCの印象も変わってきた。ヤマニンウイスカーが1.32.1の高速時計でキャピタルSを逃げ切ってしまうほどの異常馬場だったし、あの時期やたら直線の時計が速かったので上がりの時計自体はアテにならない。実際は道中全く緩まない厳しいラップが刻まれていて、最後の直線でも後続と大きく着差が開いたように、かなり持久力寄りのレースだったと思う。ハイペースを楽々追走してなおかつ速い上がりを繰り出せることがこの馬の一番の強さ。一方でスローからの瞬発力勝負では格下相手に相当苦戦しているし、そもそも速い上がりを出せない馬場状態ではあっさり沈んでしまう。今年もスロー確定のメンバー構成で昨年よりも全体のレベルは上、そして馬場も一気に重くなった。能力のピークも過ぎた感じだし、これで人気を背負うとなると沈む可能性のほうが高いように思う。


イスラボニータもかかり癖があるので、距離延長でスローのこのレースで前走からの上積みはあまりなさそう。人気を背負わなくなるのは大きいけど、結局他馬の目標になってしまう脚質なので、それで勝ち切れるほど抜けた強さはないように思う。ただ差し馬のキレ味が活きる馬場でもないので、この馬を交わせる力を持った相手も多くはないかも。ヒモ候補。


差し馬では凱旋門賞組のジャスタウェイとハープスター、天皇賞馬スピルバーグが強そうだけど、この3頭に共通しているのは距離実績がないこと。強烈な末脚で勝ち切ったのは2000まで。本格化前だとか位置取りの悪さがあったとはいえ、これ以上の距離では結果がついて来ていない。特にジャスタウェイの強さはある程度ペースが流れてこそ、という気もする。
2400のスローから繰り出す末脚という点では、デニムアンドルビー、ヒットザターゲット、ワンアンドオンリーあたりでもイメージほど差はないように思う。特にこの3頭は、鞍上を見ても、この距離でスローになればある程度のポジションを確保してくる可能性がある。


デニムアンドルビーは2着した昨年よりも地力が強化。前走の天皇賞も休み明けで前が詰まって脚を余して0.2秒差7着。叩いた上積みまで考えればここで格上を飲み込むシーンがあってもいい。小柄な馬なので前走より1キロ軽い55キロも地味にプラス。
ヒットザターゲットも6歳秋にして地力強化が著しい。京都大賞典ではトーセンラーと互角の末脚を繰り出し、天皇賞でも絶望的な位置取りから大外に持ち出して豪快に伸びて最後0.2秒差5着まで詰め寄った。
ワンアンドオンリーも、ダービーでイスラボニータを倒して勝ち切った実績があるし、神戸新聞杯では後に菊花賞をぶっちぎる2頭を休み明けながらもひとまくりで捻じ伏せていて、4着以下とは大きな差をつけた。異常馬場の菊花賞は枠の差もあって参考外とすると、世代レベル以外には特に減点するところがない。


ただこの3頭がベストの走りを見せたとしても、勝ち切るところまで行くかどうか。
距離延長がプラスになる可能性も秘めているのはスピルバーグ。スタート後の二の脚がつかないので後方からのレースを強いられがちだけど、他馬のペースが遅ければ先行策もとれる馬。位置取り次第では前走以上のパフォーマンスを発揮できるかもしれない。ただ上がりのかかる馬場が向くようにはどうしても思えない。
その点ハープスターは札幌記念の上がりのかかる馬場でも結果を出しているのが強み。今までのような後方ポツンからの瞬発力頼みの競馬ではこのメンバーには届かないだろうけど、今回はある程度前を意識するとか言ってるし、少々時計がかかった方がかえって今までで一番の走りを見せてくれる可能性はある。


◎ハープスター
○デニムアンドルビー
▲スピルバーグ
△ワンアンドオンリー
△ヒットザターゲット
△イスラボニータ


ハープスター頭固定三連単でいくか。