JRA賞

いつの間にか発表されてた。
「自分ならこの馬に投票したい」という個人的な考えと、実際の表彰とがこんなズレたのは初めてかもしれない。特にアドマイヤムーンがここまでぶっちぎりで年度代表馬に選ばれるとは思ってなかった。俺なら最優秀古馬の時点でメイショウサムソン、年度代表馬はダイワスカーレット、特別賞はウオッカのみに一票入れたかった。


そりゃGIの勝ち数と格を並べてみれば、ムーンに投票する人がいるのはわかる。でも去年一年間を振り返って、ムーンの存在感なんて俺はほとんど感じなかった。実際一番人気には一度もならなかったし、宝塚記念とジャパンCもあくまで有力候補の一角、悪く言えば伏兵でしかなかった。レース内容も展開をうまく味方にした感じで、もしメイショウサムソンと人気が逆だったら2つも勝てたとは思えない。おそらく多くのファンだって、仮に有馬記念にムーンが出てたとしてもサムソンを一番人気に推しただろう。
その有馬記念で有力馬がほぼ総崩れになったことで、消去法的にムーンに投票した人が多かったのかもしれない。だとしたらその「減点主義」の凄まじさにちょっと呆れてしまう。サムソンが8着に敗れたとはいっても、有馬記念に出てすらいないムーンよりも評価を下げる必要がどこにあるんだろう。


GI勝ちの数と格を優先するべきだというのなら、それこそワールドシリーズみたいにポイント制にでもして機械的に決めればいいわけで。それをせっかく投票で選ぶんだから、「年度を代表する馬に相応しい、レース結果にはなかなか現れない部分」を評価する記者がもっと増えてほしいと思う。ムーンに投票した記者たちは、「2007GI年鑑」みたいな本やDVDを出すときにムーンを一番トップに持ってくるつもりだろうか。ちょっと信じられん。
最優秀古馬牝馬もそう。唯一のGI馬だからコイウタてのも安直すぎはしないか。コイウタの年間成績を改めてもう一度見てほしい。これよりは該当馬なしか、札幌記念勝って女王杯2着のフサイチパンドラか、近年には珍しくスプリント重賞を3勝してGIでも2着に入ったサンアディユのほうがよっぽどマシだと思うんだけど。


もうこの際、最優秀ダートホースでメイショウトウコンに入れるようなへそ曲がりが一人くらいいても構わない。それよりも、これほど多くの人が「グランプリで一番人気を背負ったサムソン」よりも「グランプリを回避したムーン」を選んでいる現状がちょっとショックだった。日本競馬界は逃げたモン勝ちだったようだ。
別にムーンのGI勝利にケチをつけたいわけじゃない。それよりも人気を背負いながら好走を続ける馬をもっと評価するべきだと思うのは、俺が穴党すぎるせいなんだろうか。