東京新聞杯

今の東京開催は、初日のクロッカスSのタイムトリップ、2日目の節分Sのグレーターロンドンと最終のスモークフリー、そして土曜のフロンテアクイーンと、極端な追い込み策がよく決まっている。馬場が速くて前も止まりにくいので1800以上なら先行馬がよく残っているけど、短距離戦ではとにかく最後の直線で一番キレた馬が勝つ。大外一気でも十分勝負になる。
東京新聞杯も少頭数の上に逃げそうな馬もせいぜいマイネルアウラートくらいで、スロー必至のメンバー構成。直線だけの極端なキレ味勝負になるだろう。そうなると断然人気のエアスピネルに逆らえる目が出てくると思う。


昨年度のクラシック戦線の主力の一角を担ったエアスピネルは掲示板を1度も外したことがない堅実派だけど、これまで一度だけ惨敗とも言える敗戦で大きく人気を下げたことがある。それは最後方待機策から末脚勝負に徹した神戸新聞杯。阪神2400は追い込み有利のコース形態で、実際にこのレースも後方勢が上位を独占した。しかし2番人気に支持されたエアスピネルは直前ジリジリとしか伸びず5着。距離が長すぎるのか早熟かと疑われたけど、続く菊花賞では先行策であっさり復活してみせた。
この馬の強さは、先行して好位から速い上がりを繰り出すレースセンスの高さにある。しかし上り33秒台を記録したのは新馬戦の33.9が一度だけだし、上がり最速を記録したのは道悪の2戦目だけ。スローで溜めたキレ味勝負では本領を発揮できない可能性が高い。神戸新聞杯で先着を許したレッドエルディストとカフジプリンスは日経新春杯で4,5着だった。このへんを捕まえきれなかった末脚では、ここも人気ほど楽観視はできない。


とはいえ対抗格のヤングマンパワーも先行策で勝負するタイプ。ブラックスピネルも一時期追い込み策に徹していた時期は人気を裏切ってばかりで、ポジションを前に上げるようになってからまた結果が付いてくるようになった馬なので頼りない。キレ味勝負と言えばキャピタルSで大外から3馬身突き抜けたブラックムーンだけど、不発に終わるケースも少なくないのであまり信頼度は高くない。


信頼性を度外視してこの条件でこそ狙うなら、大穴タガノブルグだろう。
もともと橘Sを1.19.6の快時計で制し、続くGI・NHKマイルCでも2着に好走した実績の持ち主。その後は新潟の1400オープン特別で3度3着があるだけと散々な成績だけど、その3回はいずれも1.20.7, 1.20.7, 1.20.4と速い時計をマークしている。1分21秒以上時計がかかるようなレースではいつも見せ場なく大敗していて、道悪もからっきしダメ。得意の追い込みを炸裂するには時計が速くなければならない。しかし通常は高速馬場になると前が止まらなくなって後ろはノーチャンスになるので、なかなか狙いどころが回ってこないという難儀な馬。しかし今の東京は時計も速く、かつ追い込みも届く、他の競馬場ではなかなかお目にかかれない絶好の条件が整っている。さらに少頭数でスローなら、道中置かれる心配も馬群で詰まる心配もなく、純粋に直線だけの勝負に徹することができる。
この馬自身も去年の秋から4着→3着→3着→4着と好走続きて、前走は苦手な道悪だったので度外視できる。最低人気で現在単勝140倍。かつてNHKマイルCで単勝114倍ながら2着したこの馬が、2年半ぶりにアッと言わせるチャンスが巡ってきた。ハマれば頭まであるかも。


◎タガノブルグ
〇ブラックムーン
▲ブラックスピネル
△ヤングマンパワー
△エアスピネル
△ロイカバード