先週極端に強い風が吹いたのでふと思ったんだけど、競馬における風の影響って世間の人はどれくらい考えてるんだろうか。自分ではあまり真剣に考えたことがなかった。
ジェニュインの有馬記念の敗因として岡部が「風が強かった」と言ったのは15年くらい前。でもそれ以降、風を勝因・敗因として挙げる騎手をあんまり聞いたことがない気がする。


競輪もスピードスケートもいかに風の抵抗を避けるかが勝負のポイントらしいし、たった100メートルの陸上短距離ですら追い風2メートルも吹けば公式記録としては認められない。
人よりも推進力が大きいとはいえ、デカい馬体で2分も3分も走り続ける競走馬に風の影響がないはずがないし、それを考慮せずにタイム分析していいんだろうか。たまに馬場レベルやペースを考慮しても異常なほど上がりがかかる・上がりが速いケースがあるけど、そういう時は直線でかなり強い風が吹いてたのかもしれない。


脚質の有利不利にも影響すると思う。仮に向こう上面で向かい風、直線で追い風が強かった場合、逃げ馬にとってはかなり走りにくい。後続馬にとっては前半は先行集団が風よけになって、後半は一気に末脚を伸ばすことができる。
逆に、先週の阪神なんかは向こう上面では強い追い風、そして直線では強烈な向かい風だった。逃げ馬は向こう上面でスイスイ逃げられるし、逆に追い込み馬は直線エンジン全開にする時に風が邪魔になる。結果的に先週だけで4頭の逃げ馬が穴をあけた。今開催逃げ馬がほとんど残ってなかったにも関わらず。


距離によって影響の出方も変わるだろう。3000メートル級レースでは周回する分だけ風よけ云々はあまり関係が無さそう。ただし直線の強い向かい風はスタミナを大きく削り取る。阪神大賞典で勝負どころで手応えの悪かったトウカイトリックが最後の最後で浮上したのも、強烈な向かい風で他馬がバテまくった結果じゃないかと思う。


馬によって風を気にするかどうかの個体差までは全く分からんけど、馬格の大小でも風の影響は結構変わってきそうな気がする。


風が強いか弱いか、直線で追い風か向かい風か、くらいはこれから一通りチェックしてみようかと思う。JRA馬場情報で芝の長さをチェックするよりも本質的かもしれん。風向きくらいJRAが公式発表してくれてもいいと思うんだけど、今のところYahoo!天気情報から推測するしかないか。


ちなみに今日の午後は、中山競馬場は直線追い風3メートル。陸上競技なら参考記録扱いになるくらいの風が吹くことになる。ただ長距離戦ばかりだからあんまり意味ないかな。
中京競馬場は6メートルのかなり強い風が吹くみたいだけど、方角的にスタンドが風よけになるのかもしれん。明日も同じ方角から4メートルの風が吹くので様子を見たい。
阪神は南西の風が4メートル。これもスタンドが守ってくれるのかもしれんけど、開いた西側から吹くようだと直線強い向かい風になるんじゃなかろうか。
やっぱり現地に行ってみないとなかなかよく分からんね。過去の風のデータがあればもう少しいろいろ考えられそうだけど。