フジキセキ産駒

4戦無敗の競走成績を持ち、サンデーサイレンス代表産駒の1頭に数えられるフジキセキ。後継種牡馬としても常に筆頭クラスで名前の挙がる存在ではあるが、その種牡馬としての能力は、偉大なる父に比べるとどうしても「大一番に弱い」「距離が持たない」といった印象が強い。このイメージ作りには恐らく初期の代表産駒ダイタクリーヴァが大きく貢献した。
「いまだに芝のGI未勝利」という点でダンスインザダーク、スペシャルウィーク、アドマイヤベガ、アグネスタキオンらに水をあけられてしまっている。3年後この争いにディープインパクトが加われば一層地味なポジションに置かれかねない。だがその分しばしば穴をあけることでも知られている。去年のこの時期に毎週のように重賞を勝ち続けたことも記憶に新しい。馬券的には仲良く付き合っていきたい種牡馬だ。




この血統は、母父によっていくつかのタイプに分類することができる。

  • 母父ノーザンテースト系

代表産駒はニューベリー、タマモホットプレイ、ミツワトップレディ、メイショウオスカルなど。時計勝負に弱いためボロ負けすることも多いが、スローになるとしぶとい末脚を発揮し、ときに大穴をあける。

  • 母父ニジンスキー系

フジサイレンス、コスモマーベラス、フラワーチャンプなどがこの血統だ。上と良く似ていてスピード感がないが、得意条件ではキッチリ好走する。

  • 母父ミスタープロスペクター系

代表的なのはマルカキセキ、テンシノキセキといったスプリンター。こちらは上とは全く正反対で、高速馬場の時計勝負で実績を残した。

  • 母父トニービン

去年ドリームパスポートで一躍脚光を浴びた血統。他に芝の活躍馬といえばヴンダーやフィールドベアーあたりになるが、ここらへんに共通するのはとにかく2,3着が多いということ。勝ちきれなくて歯がゆいタイプ。得意条件で突然勝つ母父ノーザンダンサー系とは一線を画している。

  • 母父サクラユタカオー

数は少ないがダイタクリーヴァとマイネルマクロスがいる。この2頭の共通点は春のクラシック戦線に乗るほど早くから活躍したことだろうか。フジキセキは全体的には、活躍し始める時期は決して早くはない。

  • 母父ブライアンズタイム

馬産界の勢力図の影響をモロに受けており、この血統構成を持つ馬はほとんどいない。勝ち上がったのがわずか2頭。パッと思いつく人は結構アレだ。

  • 母父モーニングフローリック

大一番に弱いが、息長く、いろんなコースにて幅広く活躍する。人気薄で来ることも多い。長く脚を使えるタイプで新潟適性が異常値を示す。ていうかオースミコスモ1頭しかいないんだけどね。




芝馬に関して大まかに特徴を挙げるとこうなる。カネヒキリを頂点としたダート馬に関して整理してみるのも面白いかもしれん。