皐月賞

土曜の中山芝は最終週にして一気に高速化。3歳未勝利戦で2.00.2、3歳500万下では1.59.7が記録された。過去に皐月賞前までの3歳中山2000でこれより速い時計が記録されたのは04年京成杯の1.59.2がたった1回あるだけ。弥生賞のレースレコードでさえ2.00.5であることを思うと*1、これを軽々と上回る時計が、未勝利戦では余裕綽々の逃げ切り勝ち、500万下でも直線だけの瞬発力勝負で記録されてしまったのは恐ろしい。間違いなく皐月賞史上最速の高速馬場だろう。


土曜3歳500万下は最初の1000メートルが60.4で通過。上がり4ハロンは11.7-11.8-11.8-11.5。最後まで11.5でまとめられては外から差しきるのは相当難しい。
過去20年の皐月賞はどのくらいのペースで流れていたかというと、13年のロゴタイプのレコードを演出したコパノリチャードが58.0。これはゲイルスポートに匹敵する殺人ペースで、この次に速かったのは09年アンライバルドの年と12年ゴールドシップの年で59.1まで落ちる。今年のメンバーで逃げたい馬はダッシュの利かないスピリッツミノルくらいなので、よほどのことがない限り59秒を切ることはないだろう。59秒半ばでながれたとき、GIに出てくる先行馬がどれくらいの上がりを使えるかを考えると、いくら15頭立てでも外を回る差し馬はかなり不利。もともとが混戦メンバーだし、ポジション取りと馬場適性が勝敗を分けることになりそうだ。


メンバー中最も高速馬場に適性がありそうなのはクラリティスカイ。父クロフネ譲りの大飛びで、馬場が渋ると全くダメ。デビュー戦は稍重で4着、次走も中京1600で1分38秒台の決着に泣いて2着。しかし3戦目の阪神1800を1.46.8と2歳馬離れした快時計で圧勝すると、新設重賞いちょうSでは1.33.5のレコードで圧勝。翌日古馬1000万下と同レベルの時計を記録しており、デビューからの2戦とはまるで別馬の走りを見せている。
その後の朝日杯FSと弥生賞は稍重で時計のかかる馬場だったので力を発揮できなかった。クロフネ産駒は切れる脚がないので直線が短い方が圧倒的に成績が良く、阪神外回りで時計のかかった朝日杯は適性とはかなり違う舞台だったはずで、追い込み決着の中を早めに動いて見せ場十分の3着は立派。弥生賞は休み明けだったし、内の先行馬総崩れの展開で内からまともに伸びたのはこの馬だけだった。
6戦目で再び巡ってきた高速馬場。今度こそ本領を発揮してくる可能性は高そうだ。

問題は外枠だけど、皐月賞の枠別成績を見ると、ロスのないコースを確保できる内枠と、1角までの長い距離の間に思い通りのポジションをとれる外枠の成績が圧倒的によく、挟まれてしまう中の枠の成績が最も悪い。実際これまでの高速決着の年も意外なほど外枠の馬が好走している。今回は鞍上の横山典が外から思い切った先行策をとってくれることに期待したい。
他の騎手がスタートをもっさりでるこの馬を出たなりに後方に配置しようとするのに対し、ノリだけは多少押してでも前目につけようとしていて、それがこの馬に最も合っている。二の足のダッシュは利く馬なので、中山2000なら外枠からでも先手をとることは十分可能だろう。高速馬場だってことは分かってるだろうし、ノリにその気があれば2番手くらいのポジションを確保してくる可能性はあるように思う。


◎クラリティスカイ
○ドゥラメンテ
▲キタサンブラック
△ミュゼエイリアン
△リアルスティール
△サトノクラウン


09年の皐月賞でトライアンフマーチから勝負してアンライバルドが抜けてしまったので、一応三強は全部ヒモに入れておくか。1番強そうなのはドゥラメンテ。枠も騎手も文句なしだし、猛る気性をうまく押さえ込めれば勝利に1番近そう。ただ出遅れる可能性もある。キタサンブラックのスプリングSは、ペースに恵まれたの一言では済ませられないくらい直線入り口で後続を突き放した瞬発力が抜けていた。ダイワメジャーの再来になる可能性を秘めている。あとは実績のわりになぜか人気のないミュゼエイリアン。

*1:これは間違い。ウイニングチケット忘れてた