天皇賞・春

去年は買いたい馬が少なくて絞るのが楽だったんだけど、今年は逆に消せない馬が多くて困る。シャドウゲイトとかミヤビランベリがいれば◎を打つのに迷わなかったと思うんだけどな。



本命はトーセンクラウン。
道悪の中山記念を5馬身差でぶっちぎり。前潰れの日経賞でも先行して強い競馬を見せた。前半死んだふりのエアシェイディに早めに交わされながらも一歩も譲らず、最後は差し返そうかという勢い。スタミナと勝負根性はかなり評価できる。
にも関わらず単勝20倍超の10番人気。次の狙い目は道悪か中山、というのが大方の見方のようだ。もしこれが中山競馬場なら上位人気の一角になってるだろう。


今回はオペラハウス産駒のコース適性に賭けてみたい。
この血統は長距離向きのスタミナと圧倒的な道悪適性を持ちながら瞬発力に欠けるため、「重い芝巧者」と一括りにされがち。しかし昨年末にミヤビランベリ関連で調べたとおり、実際は重い芝が得意なんて傾向は全く無い。それどころか、活躍馬の中にはむしろ広いコース、締まったペースの高速決着の時にこそ本領を発揮する馬が少なくない。
このトーセンクラウン自身、2歳時に東京2000を3馬身半差のレコードで圧勝したキャリアの持ち主。一介の中山&道悪巧者では終わらない素質を垣間見せている。中山2500から京都3200に替わって、さらにパフォーマンスを上げてくる可能性がある。


中山の好走歴ばかりが目立つけど、そもそも中山と東京以外ではほとんど走ったことがない。ローカルが苦手なこの血統にしては札幌や福島でも堅実に好走していて、イメージほど中山だけに好走が限られているわけじゃない。
東京でも若い頃にレコード含む2勝。ここ2年は負け続けているけど、1400〜2000で中段から後方を追走して上がり勝負で見せ場なしというレースばかりなので、春の天皇賞での取捨にはあまり関係がない。そもそもカーブの時の顔を捻る苦しそうな走りを見ていると、単に左回りが苦手のようにも見える。


春の天皇賞3勝2着1回を誇る父オペラハウスは言うまでもなく、母父ダンシングブレーヴもこのレースとかなり相性がいい。孫のイングランディーレ、ラスカルスズカ、アサクサキングスがそれぞれ1,2,3着。母父としてもメイショウサムソンとサンライズマックスが1,2,4着。天皇賞本番で好走する血統的な裏付けは十分ある。


近走の一皮向けたレース振り。特に距離が伸びた日経賞で一層強い競馬を見せたこと。そして本来は京都長距離向きという血統背景。
この馬の臨戦過程は去年のマイネルキッツに少し似ている。初の京都・初の長距離・初のGIの流れを味方に付けて、いきなり過去最高の走りを見せる可能性がある。とてもGIとは呼べないこのメンバー構成でこのオッズなら面白いと思う。
他の人気馬の多くが末脚自慢であまり前に行きたいくないタイプばかりだし、その多くが外枠を引いたのも好都合。内にもぐりこんで早め先頭という理想的な競馬ができればアタマまであるかもしれない。


◎トーセンクラウン
○ナムラクレセント
▲エアシェイディ
△ミッキーペトラ
△カネトシソレイユ


ナムラクレセント、エアシェイディもベストパフォーマンスを発揮できれば上位人気馬と対等以上に戦える器。ただナムラは気性が、エアは脚質と枠が気になって◎は打てなかった。
お楽しみ馬券はミッキーペトラとカネトシソレイユ。ミッキーは逃げ圧倒的有利の今の馬場でノーマークの単騎逃げが望める利点は大きい。逃げた時は3戦して連対率100%というキャリアも不気味。カネトシはここ2走の内容が悪くない。実力はまだまだ足りないけど、最内枠のポジションとスタミナ血統をフルに活かせれば見せ場があるかも。