エリザベス女王杯

これまでエリザベス女王杯を一度も獲ったことがない。それもそのはず、このレースは古馬に解放されてから一度も荒れてない。とはいえ菊花賞や天皇賞が荒れるのが当たり前になった今、このレースの条件も荒れる要素は十分含んでるはずだと思う。油断は禁物。そろそろ凄い馬券が飛び出てもいい頃じゃないか。


本命はクィーンスプマンテ。
ハナを切ったレースでは( 5 0 2 1 )、それ以外のレースでは( 0 1 2 9 )という、正真正銘の逃げ馬。みなみ北海道Sではグラスボンバー、エアジパング、ケンブリッジレーザといった長距離でしぶとい牡馬を尻目に大逃げを打って、タイレコードで3馬身半差の楽勝だった。その3頭の馬券を買ってたので悔しい思いをしたのを覚えている。
前走の京都大賞典は執拗に絡むテイエムプリキュアを先に行かせて、離れた2番手を追走。実質自分が逃げてるのに近い状況を作り出した結果、ラスト100近くまで先頭をキープするあわやのシーンを演出した。4角最後方の2頭で決着する前潰れの流れの中をあれだけ粘れるのは凄い。もし前半テイエムプリキュアに絡まれずに自分のペースですんなりハナに立っていれば大金星を上げていたかもしれない。


今回もテイエムプリキュアとのハナ争いが最大の焦点。テイエムが出てこなければ一番良かったんだけど、その鞍上がこれまで7回騎乗して一度も逃げていない熊沢重文に変更されただけでも意味がある。これでクィーンスプマンテがすんなりハナに立てる可能性も出てきた。
もっとも、しつこく絡まれるようなら前走のような形になってもいい。なぜかこの馬は京都に相性が良く、これまで一度も逃げていないのに戦績は( 0 1 1 2 )。最後方から追い込んだ秋華賞12着を除けば、前走の京都大賞典を含めて毎回見せ場を作って好走している。京都ならハナには立てずとも能力はそこそこ発揮できるようだ。
ちなみに最後方から追い込む展開を強いられた秋華賞では、終始かかり気味ながらも上がり33.2。あのウオッカと並んでメンバー中2位の数字を残した。自分の得意パターンに持ち込めなくともこの上がりが使えたのは潜在能力が相当高い証拠。牝馬史上最強世代の最後の大物になる可能性を秘めている。


◎クィーンスプマンテ
○ムードインディゴ
▲リトルアマポーラ


オースミハルカが逃げて2年連続であわやのシーンを作った時は、2年とも結局は最後差し馬に捕まったわけだけど、交わしたのは天皇賞で僅差の勝負をした直後の歴戦の名牝だった。今年そこまでのキャリアと勢いを感じさせる馬はいない。アタマまで期待したい。


その2年間は、スイープトウショウ、エアメサイアといった一番人気の3歳馬がトンでるのも共通点。近年で3歳馬がこのレースを勝てなかったのはこの2回だけだ。
後の活躍を思えば、人気を裏切ったこの2頭が弱かったわけでは決してない。前走の小回り2000で発揮した極限の末脚を、外回り2200で逃げ馬を捕まえる用途にはうまく使うことができず、対応しきれなかったというイメージ。そこに秋華賞組の唯一の落とし穴がある。


それよりはハイペースの前潰れ決着になった府中牝馬S組の方が展開への対応力がありそう。前に行って潰れた馬はもちろんのこと、勝ったムードインディゴも怖い。4角まで最後方にいたのに残り300メートル地点ではすでに先頭に立ち、追い込むベッラレイア以下に2馬身の差を保ったまま寄せ付けなかった。時計も超優秀。ダンスインザダーク産駒だし京都外回りに替わるのがマイナスにはならない。