菊花賞

本命はスリーロールス。スポーツ誌の菊花賞特集号やギャロップだと単勝40〜80倍くらいを想定してるところもあったので楽しみにしてたけど、蓋を開けたら連勝で実質8番人気。単勝はせいぜい20倍程度。アントニオバローズやブレイクランアウト、ヤマニンウイスカーあたりより人気するとなると、流石にあんまりおいしくないな。
でも一応初志貫徹ということでこの馬から買おう。マスコミに評価されて穴人気した馬は買いたくないけど、マスコミがあまり印打ってないのにファンの判断で人気した馬というのはなかなか侮れない。最近のGIではヴィクトリアマイルのショウナンラノビアとか、ダービーのロジユニヴァースとかがそうだと思う。今回もそれに近いんじゃないかな。


スリーロールスのデビューはアンライバルド、リーチザクラウン、ブエナビスタが一堂に会した「伝説の新馬戦」。アンライバルドから0.5秒差、ブエナビスタから0.2秒差の4着だった。その後も勝ち切れないながらも素質を感じさせる競馬を続けてきた馬で、スローの毎日杯0.4秒差8着を除けば一度も掲示板を外していない。京都競馬場も新馬戦と道悪の未勝利戦の後は2戦2勝で相性もいい。
特に前走1000万下の野分特別が圧巻で、2着ジャミールを4馬身突き放す快勝。前週のローズSの1.44.7のレコードや西宮特別の1.44.8と比較しても見劣りしない、1.45.0という好タイムだった。しかも1000メートルの通過は59.6という超スロー。これを2番手でしっかり折り合って、上がり最速33.6の末脚で突き離したのが素晴らしかった。速いペースに乗じて後方から突き抜けたローズS組や西宮特別組と比較しても、先行して自分で流れを作って突き放して好時計を叩き出したスリーロールスの方に大物感を感じる。こんな競馬ができるなら、本番もリーチザクラウンの後ろから抜け出してイコピコの追撃を振り切るような競馬ができるかもしれない。
ローズSの上位4頭はその後の秋華賞でも1,2,4,5着を独占。西宮特別の方もナムラクレセントが毎日王冠で4着、スマートギアが京都大賞典で2着、さらにメイショウベルーガが古都Sを快勝したことも、前開催阪神1800の時計の価値を後押ししている。


鞍上の浜中はGI未勝利だけど、弱冠20歳で去年全国リーディン14位、今年も20位につける若手の有望株。追い込み馬に乗せた時の勝率が極端に悪いけど、その分逃げ・先行馬では安定して勝ち星を伸ばしている。このへんで大きいところをとっても不思議じゃない。スリーロールスとの相性も( 2 1 0 1 )と文句なし。


最大の不安は距離。実質1800までしか実績のない馬が菊花賞を制した例はちょっと記憶にない。そこらへんは血統のサポートに期待するしかない。
父ダンスインザダークはこれまでに9頭を菊花賞に送り出していて、着順が人気を下回ったのは骨折休養明けのトーホウアランだけ。5頭が掲示板に乗っていて、うち先行した2頭は見事に勝利を収めている。先行できるダンス産駒は出世する。先行力とキレる末脚を兼ね備えたこの馬なら大仕事ができると思う。
母もエリザベス女王杯に出走するなど長めの距離で活躍した馬だし、母父ブライアンズタイムも産駒が菊花賞や天皇賞・春でのべ3勝2着3回、掲示板に14回乗った長距離種牡馬。血統的な裏付けは十分ある。いざ走ってみれば、むしろ距離こそがこの馬の最大の武器になる可能性もある。


もし前走のペースがあとちょっと早ければ勝利にレコードの文字が付加されて評価は鰻登りだっただろうし、もし翌週イコピコが出現していなければ最大の上がり馬としてマスコミの注目を一身に集めていた可能性もあった。同じダンス産駒でよりスタミナ重視の走りをするフォゲッタブルが菊に辛うじて間に合ったことも、血統派の注目をこの馬から多少逸らすことになった。それを思えば、これでもギリギリのところで人気が抑えられてる方かもしれない。


◎スリーロールス
〇シェーンヴァルト
▲リーチザクラウン


野分特別を勝ったスリーロールスを無理やりヒシミラクルに当てはめるなら、デイリー杯勝ち馬で札幌記念経由で臨むシェーンヴァルトがファストタテヤマ。今開催で好調のジャングルポケット産駒だし、皐月賞とダービーでの好走、そして前走前が詰まって追えなかったことを思えばもっと人気してもいいと思う。京都も今開催は2日目以降差しの方が目立ってるし、日曜の競馬次第ではシェーンヴァルトから入ることも一応考えておく。