北九州記念

新潟直線コースで持ち前のスピードを存分に発揮したコスモフォーチュン。前走の疾風特別で55㌔を背負って叩き出した勝ち時計は、翌日のアイビスSDの51㌔サチノスイーティーより高評価を与えていいと思う。今春復活して以降は惜敗や惨敗も積み重ねてきたが、近走の負けの全てが時計のかかる芝でのもの。もともと2歳の小倉1200のレコードホルダーでもあり、スピードの活きる馬場こそが最適の舞台に違いない。
条件さえ整えば1000万を圧勝できる実力があることは新潟ですでに証明済み。そしてそれだけの実力があれば通用するのが今年のサマースプリントシリーズである。今回は52㌔という超恵量を背負って、まさかの10番人気。もし最終的に単勝が30倍を超えるようなら、今年一番の勝負をかけてみようと思う。
唯一の懸念材料は内枠を引いたこと。だが今回のメンバーで積極的に前に行きたい馬がいないのが救いだ。すんなりハナに立てる可能性は十分ある。


ちなみにこういうデータもある。
新潟直線コースを経験した馬が次走で1200のレースに出てきたときの戦績を過去全て遡って調べてみた。そしてそれを、「前走の新潟での馬場状態別」に分類してみる。

馬場 1着 2着 3着 着外 勝率 回収率
40 40 42 533 6.1% 57%
やや重 10 6 3 76 10.5% 170%
4 1 0 14 21.1% 271%
不良 0 0 0 0 0.0% 0%
かなりマニアックなデータだが、要するに「前走・新潟直線(道悪)」の馬は、次走で積極的に「買い」だということ。人気薄での好走例がかなり多いのが特徴でもある。もちろんコスモフォーチュンの前走は新潟直線の重馬場だ。極限の直線スピード競馬を道悪の中で経験することが、短距離馬の能力にとってプラスに働いている可能性があるかもしれない。

最近の例で言えば、北九州記念出走馬の1頭であるケイエスストロングの前走がこれに該当する。ついこないだまでは単勝600倍とか300倍とかいう激しい人気薄だった馬で、とても重賞どころではなかった。先月頃からそこそこ見せ場のある末脚を発揮するようになり、そして重馬場の新潟直線・疾風特別で4着に健闘。それから小倉のホンコンJCTに転戦し、11頭立ての9番人気という低評価を覆して、勝ってしまった。
もともと差し馬にしておくのがもったいないほどスタートの上手な馬ではあったが、ホンコンJCTで見せたスタートダッシュは特に素晴らしかった。高速馬場でダッシュを決めればポジション取りもスムーズ。そこから馬場のいい外を気分良く追走できたことが前走の勝利に繋がった。新潟でのスピード勝負の経験がプラスに出た良い例と言えるんじゃなかろうか。


今年はアイビスサマーダッシュも実質重馬場だったので、そういう意味ではサチノスイーティー、ホーマンテキーラ、スピニングノアールもこの「前走・新潟直線(道悪)」に該当する。サチノとホーマンは普通に人気しているので面白くないが、スピニングノアールあたりはあの末脚が復活すれば面白い。スローになって純粋な末脚勝負になれば、マルカキセキを倒すことも可能かも。


大外に入ったマヤノシャドーにも食指が動く。1200は少し忙しい距離だが、この枠からならそれなりのポジションが取れそう。前走はいいところなしだったが、久々の良馬場で走れば変わり身があっていい。去年の小倉日経オープンの分だけ走れれば上位争い。



◎コスモフォーチュン
○マヤノシャドー
▲スピニングノアール


◎→○→▲だと40000倍。さすがにこれは狙いすぎだと思うが、◎の単勝だけは忘れずに買っておきたい。