NHKマイルC

皐月賞で4コーナーを回って直線を迎えたとき。
俺はてっきりフサイチリシャールとメイショウサムソンで決まるかと思った。


だが結果リシャールは離れた5着。福永は「仕掛けが少し速かったかも」とコメントしていたが、決してそんなことはあるまい。あの競馬でタレるようなら、この馬は使い詰めで調子が落ちている可能性が高いと思う。
2歳王者が3歳春に成績が振るわないのは毎年のこと。皐月賞で好走したとしても、そこから坂道を転げ落ちるケースが多い。皐月賞の時点でパフォーマンスの落ちたとなると、先が不安で仕方ない。
もともとレースを進めやすい脚質が強みの馬だが、今回ばかりはメンバー的に展開に恵まれることも考えにくい。ここは思い切って消してみる。
もしかしたら皐月賞の失速は直前まで降っていた雨の影響なのかもしれないが、今週日曜の午後も東京は少し雨が降りそうな気配。



リシャールが好調だったとしても、マイネルスケルツィの方が強いと思う。マチカネゲンジに負けた未勝利戦で踏んだラップは、超高速馬場の東京スポーツ杯のレコードよりも価値がある。ラジオたんぱ杯は雪で輸送に失敗したのが敗因で、それ以外は超ハイレベルのきさらぎ賞3着を含めてほぼパーフェクトの戦績。共同通信杯に登録してきたときはこっそりこっちで勝負するつもりだった*1
だがせっかくリシャールを消したことだし、スケルツィにも少しイチャモンをつけてみたい。
デビュー後の2戦で共に東京競馬場で2着に負けている。内容自体はかなり良かったのだが、キレで勝負するわけではないこの馬は本質的に東京競馬場は合わないのではなかろうか。2,3番手で引っ張って抜け出す競馬ができればまだいいが、今回のメンバーはスケルツィよりも速いのがゾロゾロいる。4コーナーを6,7番手で回る消極的な展開になった場合、キレ負けする可能性はあるかもしれない。
まして鞍上は柴田善。左回りで一応GI6勝を上げているが、そのほとんどが伏兵でのもの。人気での過信は禁物だ。3着あたりがお決まりのポジションではないか。
そして前走でマイナス10㌔だった馬体も気がかり。果たして上積みがあるかどうか。


本命候補はキンシャサノキセキ。
デビュー2戦目にしてアドマイヤカリブを1.33.6のタイムで差しきった好素質馬。南半球産だが2㌔減のハンデをもらえるのは大きい。
ここ2戦は人気を裏切ってしまったが、熱発、時計のかかる芝、強風などに邪魔をされただけで悲観する内容でもない。東京競馬場に替われば差し脚を発揮できそうだ。
フジキセキ産駒にとって改修以降の東京マイルは、勝率19%、連対率31%と得意の舞台。逃げた馬たちが潰れたとき、中段からスケルツィとの追い比べになれば勝機があるかもしれない。


対抗はファイングレイン。
ニュージーランドTで踏んだラップは、1000の通過57.8、上がり3ハロンが11.7-11.7-12.3とかなり良い。それでいてロジックやアポロノサトリを振り切ったのだから大したものだ。
きさらぎ賞とスプリングSでは思いっきりかかっていたので、マイル以下が合う。デビュー戦では2番手から抜け出して勝っているのでハナが必要なタイプでもない。今回先行馬が作る速い流れはまさにうってつけ。ハイペースに耐える地力は持っている。
父はこちらもフジキセキだ。「サンデーサイレンス全GIコンプリート」の最後のチャンスにフジキセキがワンツーを決めてしまうのも面白いかも。
スケルツィを逆転するのは大変だが、こちらの武器は騎手。横山典のNHKマイルCの戦績は( 1 3 1 2 )。5,6番人気の伏兵をよく持ってくる。最内のスケルツィを閉じ込めながら良いポジションを確保できそうな枠順もいい。



◎キンシャサノキセキ
○ファイングレイン
▲マイネルスケルツィ

*1:結局回避