新潟大賞典

同じ新潟2000外回りのハンデ重賞でも、意外なほど先行馬の活躍が目立つ真夏の新潟記念とはかなり様相が違っていて、オースミグラスワンのような重厚な追い込み型でもよく届く。上がり1位が( 7 3 3 4 )で、人気馬ばかりなのに単勝回収率が200%を超えている。要は「1番キレる馬」を買えば当たるレースだ。
ただ今年は開幕週で逃げ馬が( 4 0 2 5 )と大暴れしていて、例年よりも内の前が残りやすかった。これまでにも08年や09年は開幕週はこんな感じで逃げ馬がたくさん勝っていたけど、翌週の新潟大賞典は結局追い込みが届いていた。ただ今年の開幕週は追い込み馬が( 0 0 1 46 )で連対すらしておらず複勝圏内1頭のみ、という点で過去のどの年とも全く違う。
今週土曜に雨が降ってどうなるかと思ったけど、多少時計がかかるようになった以外は傾向は変わらない、むしろ尚更前が残るようになったように見える。今年は末脚一辺倒の馬では厳しいかもしれない。


本命はパッションダンス。ここ10年で唯一、新潟大賞典を先行して勝った馬。1分56秒台の速い馬場に恵まれた部分もあったけど、ダコール、サトノアポロ、ナカヤマナイトらを3馬身突き放す強い勝ち方だった。超スローからのキレ味勝負になった去年も2番手から先行して0.4秒差まで粘ったし、新潟記念も快勝。瞬発力はないけど平坦の長い挑戦向きのいい脚を長く使えるタイプで、とにかくこのコースはよく走る。金鯱賞も好メンバー相手に悪くなかったし、ここ2戦のダートは度外視できる。追い不足の懸念はあるもののこの人気なら期待のほうが圧倒的に大きい。
津村は芝重賞の勝率3.8%、回収率49%と一見酷い成績だけど、これはいつも二桁人気の格下にしか乗るチャンスがないから。8番人気以内に騎乗したときは勝率14%、回収率180%まで上昇する。もちろん二桁人気の大穴で2,3着に潜り込んでくることもしばしば。去年競馬界を去った藤田にわざわざ名前を挙げて評価されるだけはある。今回は11番人気とはいえチャンスは大きいと思う。


相手はシャイニープリンス。前走◎を打っておきながらヒモを外したのが痛恨だった。2000も問題ない、というか楽に先行できる分むしろ2000の方が良さそうな馬で、決して速い馬場ではなく前半1000が59.8というスローな展開の中で1.58.9の勝ち時計はかなり優秀だと思う。3馬身突き放したヤングマンパワーも次走好走しているし、レースレベルもそれほど低くなかった。
富士Sでステファノスの2着に来たように末脚は重賞級。スローの瞬発力勝負だと届かないけど、ある程度流れてもいい脚を繰り出せるのがこの馬の強み。マイルでも先行できる馬なのでここも好位に付けられるだろう。本命にしようかとも思ったけど、ここ5年ほど芝重賞で全く出番の無い幸への乗り替わりが不安で対抗まで。消極的に乗るようだと届かない。


◎パッションダンス
○シャイニープリンス
▲フルーキー
△マイネルミラノ


フルーキーは勝ち切るかはともかく地力はこのメンバーでは最上位。瞬発力はないけど東京でも走る馬なので新潟も能力発揮には十分だろう。フルーキーより後ろはもう届かないと思ってまとめて消すことにしたい。
マイネルミラノまで拾うか。去年の新潟記念2着は見事。前走もラスト1000地点からペースを上げるロングスパートに打って出て見せ場は作った。マイペースで運べれば前残りのG3では常に怖い。