マイルCS

スーパーホーネットで頭鉄板かと思ってたけど、あんまり枠が良くないし、唯一の不安材料がだんだん気になってきた。
それは距離短縮である。
スーパーホーネットがこれまで勝ったレースのほとんどは4コーナー通過順位が3番手〜7番手。この馬の強さは、スズカフェニックス並みの末脚を馬群中段から繰り出すことができる点にある。逆にこれ以上後方で脚を溜めたからと言って、キレ味がそれほど増すわけではない。
そして藤岡佑介は、先行とか追い込みとか、脚質に拘るのを好まない騎手だ。スタートから出たなりで馬に任せて乗る。先入観にとらわれずに自由自在に馬を操ることが最近の好成績にも繋がっているように見える。
その自在さを持つがゆえに、距離延長の場合は行き脚がついて先行策になりがちだし、逆に距離短縮というローテは後方待機を意味してしまう。脚質の定まらないスーパーホーネットはまさにその典型。その結果、古馬になってから距離延長での成績は( 4 1 0 1 )でGI以外負けなしだが、距離短縮の成績は( 1 0 0 5 )と散々だ。勝ったのはスワンSだけ、それも格下相手にハナ差のギリギリの勝利だった。距離延長の場合は自然と前目に付けて先行馬を射程圏に捉える。だが距離短縮では後ろからの競馬になって、追い込んでも届かない。
毎日王冠でウオッカを倒した末脚は確かに破壊力があった。だが毎日王冠から直行してマイルCSを勝った馬は過去にいない。シンコウラブリイは間にスワンSを挟んだし、ダイワメジャーは押して押して2番手につける積極性が好結果につながった。だが藤岡は無理に押してまで好位をとることをしない。前走のスーパーホーネットのテンの3ハロンは35.6。毎日王冠だからこそ余裕で5番手を確保できたが、マイルCSなら明らかに馬群の後方に相当する。その位置で溜めてGIを差し切るほどの末脚を、この馬は過去に見せたことがない。
毎日王冠を勝てたのは、1枠から好スタートを決めて絶好のポジションを取ることができたからだ。あの時休み明けで外を回したカンパニーとの0.5秒差は確実に詰まる。外枠から藤岡佑介はどのポジションにつけるのか。もし仮にカンパニーの方が位置取りが前になるようなら逆転も十分ありそうだ。


だがカンパニーをGIで本命にするのも抵抗がある。何か今さらだし、スタートの下手さを思えばむしろこちらの方が当てにならない。
狙うならもっと前に行ける馬しかない。


もう一度マイネルレーニアに期待しようと思う。
1400スペシャリストというよりは、前半スムーズに逃げさせてもらえるかどうかが全て。それさえ叶えば、今のデキならスーパーホーネットとカンパニー以外の馬には地力で勝てると思う。1600のポートアイランドSはスローの展開に恵まれたとはいえ、直線では後続をさらに突き放しており、上がり34.1はメンバー中2位。突き放されたバトルバニヤンがその後富士S3着でカシオペアSを勝っているわけだから、一方的にちぎり捨てたマイネルレーニアのマイル戦での強さを認めるしかない。
前走スワンSは走破タイム1.19.9の見事な逃げ切り勝ち。ラスト3ハロン地点から10秒台に突入し、後続に脚を使わせながら、11.5-12.1と最後まで脚色が衰えない。今年のマイルCSは1分32秒台中盤の決着になりそうだが、あと1ハロンの延長を12.5くらいで走れれば十分勝ち負けになる。
マイルCSの逃げ切りは過去ダイタクヘリオスだけ、と言うといかにも難しそうだが、もともと京都マイル外回り自体は持続力ある逃げ馬が頻繁に穴を開けるコースだ。このGIでもギャラントアローやキョウエイマーチ、エイシンワシントン、イイデザオウあたりの伏兵が逃げ粘ったこともある。こいつらと比較してマイネルレーニアが劣るとは思えない。
最大の難関はもちろん、同型コンゴウリキシオーがいること。気分よく走れない場合はオープン特別すら惨敗する馬なので、ハナ争いの行方がこのレース前半の最大の焦点になる。だが経験上、こんな時に限ってすんなり隊列が決まるような気がする。ゲートを出てみないと分からないけど、うまく内枠を引いたし、意外とすんなりハナに立てるんじゃないかなと楽観視している。他の馬たちは激しいハナ争いを期待していて、スーパーホーネットの出方を気にして動けない。そうなればこちらのものだ。


◎マイネルレーニア
○カンパニー
▲スーパーホーネット
△ローレルゲレイロ


ブービー人気のジョリーダンスをどうしよう。さすがに厳しいかなぁ。