ガーネットS

中山ダート1200という条件は特徴のあるコースだ。
まず枠順。コースの形状*1から、スタートで芝生の上を走れる外枠のほうが若干有利である。過去10年間の1474レースを振り返ると、勝率は1枠から8枠まで、順に5.7%→6.2%→6.3%→6.9%→6.5%→7.2%→7.4%→7.5%。内枠でも強い馬ならなんとかなるが、少しでも外を引くに越したことは無い。
そして脚質。逃げ馬の勝率は30%を超え、単勝回収率は257%。1番人気が逃げると勝率は60%にも跳ね上がる。そして差し・追込みの勝率・回収率は比べ物にならないほど低い。強い馬が逃げるとどうしようもない。






しかし1つだけ注意しなければならないことがある。この単純なデータには決して現れない事実。それはクラスのレベルによってレース傾向が大きく異なることだ。上のデータは全体の90%近くを占める下級条件*2の色が強く出ている。


1600万クラスになると、逃げ馬の勝率が20%に落ち込み、枠順も内枠の成績がかなり悪くなって、逆に7枠の勝率は12%にも達する。オープン特別*3になると、もはや逃げるより先行のほうが絶対有利。2,3着なら差しでも十分届く。また枠順別で見ても、勝ち馬は4枠より外に集中しており、連対圏内まで広げても3枠より内ではかなり絶望的になる。


そしてGⅢ。これはガーネットSの9戦しか例がないが、逃げた馬の成績は( 0 0 1 8 )。唯一3着に粘ったのは不良馬場でレコードが飛び出した前残りレースなので参考外。実質的に逃げ馬は全く馬券に絡むことさえできていない。弱すぎたのかと言えばそうでもない。3番人気が3頭、4番人気が2頭、5,6番人気が1頭ずついた。その全てが馬群の中に消えていったのだ。
枠順の傾向も極めてわかりやすい。1枠から8枠まで順に、勝った馬の頭数は0,0,1,1,1,2,2,2頭。内枠を引いた時点でもはや勝ち目はないと言っていい。少しでも外。できる限り6枠より外がいい。






低レベルの下級条件では、強い馬とその他大勢ではスピードのレベルが全く違う。だから枠順に限らず、楽に先手をとってしまえば中山の短い直線をそのまま押し切ることができる。だから枠順別成績は比較的偏りがない。そして逃げ馬の勝率が非常に高い。
しかしオープンクラスになると、どの馬もかなりのスピードをもっているため、先行争いが熾烈を極めることになる。GⅢ9戦のテンの3ハロンのラップは33.4、33.5、32.8、33.2、33.8、32.8、32.8、32.8、33.1。強い馬が揃えば揃うほど、前が速くなることが避けられない。少しでも外の芝を通ったほうが有利。そしてダートで33秒を切るようなペースで前半飛ばしてしまえば、最後の直線ではバテる。
中山のダートはかなり重いが、ガーネットSの勝ちタイムは例年1分10秒台前半が要求される。それもこれも無謀なまでのハイペースが原因だ。





今年はジョイフルハートやローエングリンが回避してしまったが、それでも前に行きたい馬が多く揃った。ハイペースは必然。あとは有力馬ケイアイメルヘン、コパノフウジンが内に入ったので、この2頭を消してみる。
狙いは5枠より外。





最外・最軽量のボタンフジは中山巧者だが、上にも書いたように、下級条件の先行とGⅢの先行では勝手が違いすぎる。前走から6㌔減を考慮しても、時計的にレベル外。
オフィサーは京都ダート1200で上がり34.9をマークし、準オープンでも即通用した。素質が相当高いのは間違いない。だが、逆に中山の深いダートは合わないのでは、という不安もある。それにこういう軽ハンデの若いダートホースがいきなり古馬重賞で通用するところを見たことがない。もう少し穴目を探したい。
骨折休養あけのテイエムアクションも消し。アンブロワーズも急仕上げ気味なのでここは様子見がよさそう。






スターリーヘヴン

ダートデビューとなった前走クイーン賞はグラッブユアハートから2秒ぶっちぎられて4着。これで人気を落としているようだが、スタートで躓く不利もあった。最後バテたのはグラッブユアハート相手に真っ向勝負を挑んだ結果なので、着差はそれほど気にしなくていい。今のグラッブユアハートは白山大賞典でハードクリスタルやスターキングマンをちぎるくらい絶好調なので相手が悪かったし、何より距離も長すぎた。終始かかり気味に先行していたので、距離短縮も歓迎材料。ボタンフジを先にいかせて外から4〜5番手のポジションを確保できれば、アッと言わせる場面もあるかも。
鞍上は中日新聞杯、中山金杯で重賞の味をしめた柴山雄一。横山典が戦線離脱した今、関東で乗れる数少ない騎手。勢いに乗ってここも。






あとはブルーコンコルド、リミットレスビッド、ディバインシルバーあたり。
ブルーコンコルドは斤量よりも「どれだけこのレースを勝ちにきたか」が問題。もちろん大目標はフェブラリーSなので、ここは無理せず2,3着に入れば十分だろう。アタマはない。
リミットレスビッド、ディバインシルバーはよくわからないのでオッズ次第。




◎スターリーヘヴン
○リミットレスビッド
▲ディバインシルバー
△ブルーコンコルド


とりあえず◎の単。あとはオッズ次第。

*1:http://www.jra.go.jp/turf/nakayama/course/course.html

*2:未勝利〜1000万

*3:京葉Sくらいしかないが