谷川岳S

過去2戦で連対しているのが条件戦上がりのヒーズインラブだけで、そのヒーズインラブにしても前走は際どい写真判定のギリギリの勝利。他はオープンでは頭打ちの感が強い馬ばかりで、かなりの混戦模様になっている。


パッと見渡して気になるのはシベリアンスパーブ。このメンバー中でも抜けた最低人気で、連勝馬券では実質単勝100倍相当の高いオッズになっている。しかし前走のダービー卿CTでは内でそこそこ伸びて7着入線。このとき8着だったロイカバードが今回人気の一角であることを思うと、この馬の人気の無さは不思議な気がする。
昨年の冬ごろには準オープンを強い競馬で勝ち上がってチャレンジC3着、京都金杯4着と重賞戦線で気を吐いていた馬。その後は馬体を減らすとともに急激に調子を崩して見せ場のない大敗が続いていたものの、今年馬体を戻して復帰してからは、休み明けのニューイヤーSで0.6秒差6着、洛陽Sで0.5秒差6着とそこそこ健闘している。東風Sも0.3秒差6着で、スローからのキレ味勝負で後方待機馬に屈したものの最後までそこそこ伸びていた。そして前述のダービー卿CT7着。それなりのポジションを取って毎回それなりに伸びるこの堅実さなら、ローカルで低レベルのこのメンバーでは十分上位争いできるんじゃなかろうか。
そして大外枠。新潟マイル外回りコースは外枠有利が顕著で、2010年以降の準オープン以上の29レース中、1枠から6枠までは勝率1-5%台なのに7枠は勝率10%、8枠は勝率15%を記録している。迷ったら黙って外枠から買うくらいでちょうど良い。



最低人気から買うならヒモは何でもいいんだけど、新潟と相性のいいアルバタックスとダノンリバティ、左回り巧者のマイネルラフレシアは押さえておきたいところ。あとは末脚鋭いプロフェットとヒーズインラブはこのメンバー中ではもう少し上がり目がありそうだし外枠なので警戒する。2キロ増だけど前年覇者ピークトラムまで一応押さえるか。
逆に評価を下げるのは追い込み一手が目立ってきた最内ロイカバードやライズトゥフェイム。


◎シベリアンスパーブ
○アルバタックス
▲マイネルラフレシア
△ダノンリバティ
△プロフェット
△ヒーズインラブ
△ピークトラム


◎一頭軸三連複と、あと頭固定三連単も少しだけ。

天皇賞・春

春の天皇賞の2強対決ムードと言えば、やはり有名なのは「地の果てまで伸びる」無敗の2冠馬トウカイテイオーv.s.「天まで昇る」最強ステイヤー・メジロマックイーンの対決になった92年。
あるいは96年、阪神大賞典で3着以下を9馬身ちぎる一騎打ちの末に復活を遂げた4冠馬ナリタブライアンv.s.前年の年度代表馬マヤノトップガンによるブライアンズタイム産駒どうしの「BT対決」が印象深い。


この2つも含めて、春の天皇賞で「1,2番人気の2頭だけが単勝オッズひと桁台」になったのは86年以降の過去31年で7回ある。しかしその中で2強が順当に1,2着に納まったことはただの一度もない。
その7回すべて、1倍台から2.0倍までの圧倒的支持を集めた1番人気馬が負けているのが興味深いところで、それもナリタブライアンが一度2着に来た以外は全て惨敗を喫している。春の天皇賞と言えば昔は強い馬が順当に勝つ堅いレースとだったけど、それでも2強対決ムードになると必ず人気馬が飛んでいたことになる。両雄並び立たず。2強対決ムードで互いに意識し合うプレッシャーが一番厳しいのかもしれない。馬券的にはやはり2強を疑うところから入りたい。



キタサンブラックの不安点は、前走の大阪杯をまさに圧倒的強さで完勝してしまったことではないかと思う。2,3着にステファノスとヤマカツエースが入って、2000のスピード競馬への適性が大きく現れたレース。それを強い競馬で勝ち切った分、逆に3200への一気の距離延長が気になる。去年は大阪杯を超スローで逃げたことで天皇賞に向けたよいステップになったと思うけど、今年はどうだろうか。
大阪杯と言えば、かつて阪神大賞典→天皇賞のローテを2連覇したメジロマックイーンが3年目には大阪杯を5馬身ぶっちぎって勝った後で天皇賞本番で負けてしまった例が印象深い。トウカイテイオー、マーベラスサンデー、サンライズペガサス、ネオユニヴァース、ドリームジャーニー、キズナなど、大阪杯を強い競馬で完勝した馬ほど3200では評価を下げたほうが良い。実際キタサンブラックの去年の天皇賞は、ペースとトラックバイアスを存分に活かした上で、なおカレンミロティックに一旦は完全に交わされている。驚異的な粘りで差し返したとはいえ薄氷の勝利だった。3200はあくまで辛うじてこなす程度。本質的には長すぎることに違いはないと思う。今年は去年とは比較にならない徹底マークを受けること必至。ここで沈みそうな気がする。


もう一頭のサトノダイヤモンドも菊花賞、阪神大賞典を勝っているけど、ディープインパクト産駒だし、こちらも陣営も言うように本質的にはこの距離は得意ではなさそうに見える。
実際有馬記念では0.5秒差あったシュヴァルグランとの差が阪神大賞典では0.2秒まで詰まった。それもスローの2500から、3分2秒台というごまかしのきかないペースになった3000になって、本来ならもっと差が広がって然るべきところでこの結果。勝ちっぷりもそれほど余裕があったようには見えなかった。あと1ハロンあれば少なくともシュヴァルグランとの差はさらに詰まると見たほうが自然ではなかろうか。
特に今回は他の人気馬が好枠を引いたのに対して痛恨の外枠。近年の春の天皇賞で数々の一番人気馬を沈めてきた外枠の不利を思えば、決して安心してみていられるわけではない。


そうなると有馬記念3着のゴールドアクターが前哨戦大敗で大きく人気を落としたのが気になるところだけど、この馬も京都の長距離戦は向きそうにない。去年もスタミナ寄りのジャパンCで最後止まったもののスピードがある程度求められた有馬記念で善戦したし、前走の日経賞もそれなりの手応えで4角を回ってきたのにパタッと止まってしまったあたり、長距離向きのスタミナがあるようには感じられない。2000の大阪杯を使った方が良かったんじゃないかと思っている。全盛期を過ぎた馬が若手からベテランに乗り替わりという例はたまにあるけど、あまり成功例が思い浮かばない。



2強を崩すならスタミナ勝負しかない。となるとシュヴァルグランか。福永は意外と最近は京都長距離戦での成績が良くて、エピファネイアで菊花賞を圧勝したほか、リアルスティールやシュヴァルグランも人気通り持ってきているし、エリモエクスパイア、セイウンワンダー、レインボーラインあたりで穴も開けている。頭まではどうかという気もするけど、枠もいいところを引いたし期待したいところ。
スタミナなら長距離重賞3勝のアルバートもいいんだけど、最近あまりにも後ろからの競馬ばかりになっているのが気になる。ここも後ろから行くようでは届かない。


本命は最内枠を引き当てたシャケトラに託したい。
天皇賞トライアルで最も驚かされたのが日経賞のこの馬だった。スローから前に行ったミライヘノツバサやアドマイヤデウスが残って、後方のレインボーライン、ディーマジェスティ、ジュンヴァルカンらはほとんど見せ場もなく沈む展開。そんな中で3角手前からロングスパートをかけて大外を回って強引に押し上げて、最後まで止まることなく差し切ってしまった。浜中から絶好調田辺裕信への乗り替わりも良かったかもしれない。
まだデビュー6戦で上積みもありそうだし、前走たまたま後ろからの競馬になっただけで普段はわりと中段につけるタイプでもある。最内枠から好位を確保できれば直線で突き抜けるかもしれない。


◎シャケトラ
〇シュヴァルグラン
▲サトノダイヤモンド
△キタサンブラック


◎→○の馬単1点と、◎頭固定三連単かな。