安田記念

アーモンドアイは結構危ないと見ている。
まずアーモンドアイが本当にマイラーなのかという点に大いに疑問がある。気性面とか考えたら確かに馬自身はマイルくらいが一番走 りやすいのかもしれない。しかし他馬との根本的な身体能力の差を際立たせるという意味では、やはり2400とか、あるいはもっと長距離の方が安心して見ていられるのではないか。例えばディープインパクトは追い込み脚質でハラハラさせることも多かったけど、 最も楽勝だったのは春の天皇賞で、まさに手のつけようのない強さを見せてレコード勝ちした。短めの距離で1~2分間の競争になると出遅れや外を回すロスがあったりして時計的に間に合わない可能性が出てくるけど、3分の長い距離では4角までに悠々と先頭に立 って押し切る競馬が可能になった。 しかし血統的には決して長距離向きではなく、種馬になってさらに 距離適性の短さがはっきりした。それでも身体能力さえずば抜けていればスタミナ云々ではなくそういう他馬を振り切る戦い方が可能で、アーモンドアイのジャパンCもそれに近かったように思う。一方で、高速馬場のマイル戦になると、G3ですらなかなか勝てないノームコアやプリモシーン、クロコスミアでさえ1分30秒台中盤で走ることができる。この時計で決着するとき、いくら能力が抜けた馬であっても余裕をもって勝つことは相当難しい。例えばブエナビスタもなぜか毎年ヴィクトリアマイルを使われていたけど、 本来の強さをまるで発揮しきれなかった。春の天皇賞に出ていれば負けるはずはなかったと思っている。
そもそも海外帰り初戦の東京マイルGIは鬼門で、これまでモーリス、ブエナビスタウオッカなどの最強クラスの馬がコロッと負けたり格下に大苦戦を強いられたりしている。アーモンドアイのドバイターフでの走りも、確かに強かったけど、ヴィブロスに1+1/4馬身差というのは安田記念で確実に勝利が見込めるほどの強い勝ち方には見えなかった。さらにアーモンドアイは凱旋門賞回避で自分の得意な環境を優先することを発表し、 ファンをがっかりさせたばかり。流れが良くない。 負けるならここではないか。

 

もちろん妥当アーモンドアイの筆頭格はダノンプレミアム。この馬も相当強い。しかしマイラーズC勝ち馬の安田記念との相性の悪さ、前走グァンチャーレと0.2秒差の競馬などを考えると、やはり何かに足元を掬われる可能性はあるように思う。

 


東京マイルは、重賞以下とGIではペースの違いもあって全く違うレースになるけど、GIの中でも安田記念NHKマイルCともヴィクトリアマイルともさらに質が違うレース。 その一端は58キロ(牝馬なら56キロ)という重い斤量にあるのではということをいつかの年の予想で考察した。高速の東京マイルで長い直線を58キロを背負って走り続けるのはあまりにも酷。それを可能にするのは斤量への慣れ。58キロを経験している馬を優先したい。

 

本命はケイアイノーテック。アーモンドアイもダノンプレミアムも不在のNHKマイルCを制した馬で、 あの時の追い込みの脚は強烈だった。2強不在だったとはいえ、ハイレベルな一戦であったことは倒した馬のその後の活躍を見てもわかる。この馬自身はその後不調だけど、ここ2戦では58キロを経験し、前走マイラーズCでは上がり32.1を繰り出すも6着。あのレースでは後方待機策ではどうしようもない。今回は休み明けを一叩きして得意の舞台で最内枠を引き当てた。復活するならここではないか。


昨年2着のアエロリットももちろん有力だけど、前走のバカ逃げは次走に繋がる走りではなかったように思う。それよりは昨年の天皇賞で58キロを経験しているサングレーザーだろうか。

 

 

◎ケイアイノーテック
○サングレーザー
▲ダノンプレミアム
△アエロリット

 

 

 

 

目黒記念

東京得意のソールインパクトが内枠を引いたのに人気がない。ブラストワンピースは59キロだし、ウインテンダネスやポポカテペトルは休み明け。この条件なら頭まであってもと思うんだが。

 

◎ソールインパク

○ムイトオブリガード

▲アイスバブル

△ブラストワンピース

日本ダービー

皐月賞の3強が強いと思うけど、その中でもし消えるとしたらヴェロックスだろうか。小回りコースでコーナーを回りながら進出してくる脚はマツリダゴッホを彷彿とさせる。一旦抜け出してからの持続力も文句なく、そして前走では叩き合いになった時に最後まで食らいつく根性も見せた。しかし、野地菊Sと東京スポーツ杯のような直線の長いコースで意外と伸びず、前を捕まえきれていない。

これと真逆で、後ろから取りついて前の馬に追いつき一気に交わすまでの脚が究極的に冴えているのがサートゥルナーリア。ダービーで有利なのはこちらの方だろうか。

ただ1倍台になるほど抜けているとも思えないので、消去法的だけどダノンキングリーに期待してみよう。今年の皐月賞は最後11.7-11.6-11.4のようにラストまで加速し続ける異例の展開で、こんなのは近年では05年のディープインパクトの年くらいしかない。ディープの年は中盤でラップが極端に緩んだことで後続勢のマクリを許し、4角入口で前が捕まって、あとは脚を溜めた後方勢が突き抜ける前潰れの展開になった。今年はこの年ほど極端ではないとはいえ、前半から3,4番手を追走したダノンキングリーにとっては脚を溜める暇がないまま厳しい追い比べを強いられたと思う。東京向きの脚を持っていると思うし、サートゥルナーリアとの力差はそれほど大きくないと思う。

 

 

 

土曜の競馬を見る限り今年も内が良さそうだし、ディープインパクト産駒サトノルークス、ロジャーバローズあたりは、内で好位を取れれば結構粘るかもしれない。エメラルファイトもクロフネ産駒で東京の高速馬場は得意のはず。あとは京都新聞杯が強かったレッドジェニュアル。良馬場ならまだ底知れない。外から一気に差すほど強くはないと思うけど、前走くらい良いスタートを切れれば好位を取れるかも。

 

 

◎ダノンキングリー

○サートゥルナーリア

▲サトノルークス

△ロジャーバローズ

△エメラルファイト

△レッドジェニュアル