札幌記念

すっかり復調して少頭数なら崩れないラヴズオンリーユーも、前崩れのオークスでかかり気味に先行しながら粘ったソダシもそれぞれ高く評価してるんだけど、もしかしたら2頭まとめて倒してくれるかもと期待を寄せているのがウインキートス。前走の目黒記念の勝ちっぷりは単なる前残りでは済ませられないほど強く見えた。

全成績( 5 5 3 3 )で、掲示板を外したのは3角で大きく不利を受けて何もせず最下位に沈んだ日経賞の1回だけ。成績表だけ眺めると「毎回安定して走るちょっと地味な先行馬」のように見える。しかし実際のレースぶりを見るとまたイメージが変わる。全5勝はいずれも先行策から上がり最速(4回)または上がり2位(1回)をマークしていて、着差は3馬身差が2回、2馬身差が2回、1馬身半差が1回。つまり勝つときはやたら強い勝ち方をするのがこの馬の特徴で、馬群を一気に抜けて早めに先頭に立って後続を全く寄せ付けない。

じゃあ何でそんな強い馬がキャリア14戦目まで条件戦で苦労したのか。3歳春のミモザ賞でウインマリリンの2着に負けてクラシック戦線の切符を逃して、そのあたりから馬体増とともに差し脚質を先行策に切り替えていくんだけど、その後負けた6回を見ると何と5回も逃げ馬に逃げ切りを許している。つまり、直線逃げ馬が残って他の馬と一緒にそれを追いかける展開になると、末脚のキレを求められるためか十分に力を発揮できていない。逆に、逃げ馬がバテて先行馬が早めに先頭に立って後ろを迎え撃つ展開だと、差し馬並みかそれ以上の末脚を繰り出して毎回のように完勝しているということになる。ペースの違いだけでなく、馬群で他馬と一緒に走るよりも単独で抜け出したほうが強い、という見方もできるだろう。実際、内枠( 0 2 0 1 )、中枠( 2 2 1 2 )、外枠( 3 1 1 1 )の成績を見ても枠順が外のときほど好走しているのがわかる。

非根幹距離の方がこの馬向きの展開になりやすいかもしれなくて、そういう意味でも前走こそ狙い目だったか。2000は少し短い印象で、ここで見せ場なく負けてから秋の大一番で狙う方が大穴にありつけそうな気もする。ただコーナーの半径が大きくてマクリやすい札幌ということで勝負する気になった。この馬自身、札幌成績は( 1 1 0 0 )と実績あり。さらに父ゴールドシップも函館・札幌で( 2 2 0 0 )、母イクスキューズも( 1 1 1 0 )と札幌重賞の活躍馬だった。ついでに鞍上の丹内も、オープン以上では函館で勝率11%の回収率175%、札幌は勝率6%の回収率220%、それ以外では勝率2%の回収率20%という北海道専用ジョッキー。ここで来る要素は揃っていると思う。

 

トーラスジェミニが最近2番手からの競馬で結果を出しているので、何が何でも逃げたい馬がいない。場合によっては外を回るロスを嫌ってソダシがハナに立つ可能性もある。前半牽制し合ってスローからまくり合いのロングスパート戦になれば一番理想的。

ウインキートスが来る展開なら、相手筆頭はラヴズオンリーユー。ソダシは血統的な距離不安もあるし、札幌2歳Sを買った時とは馬場の速さも違う。連勝が途切れて流れが悪くなった気もするのでいっそ消してしまおう。

差し馬では昨年2着のペルシアンナイト。前走もブラストワンピースとは枠の差だと思うけどこちらはあまり人気が無い。洋芝、右回り、良馬場、ロングスパート戦の好走条件が揃いそうなここは年に一回の好走のチャンスかも。

あとはサトノセシル。前走クイーンSはスタート後に被せられてあまり良いポジションが取れず、後方で折り合いを欠き気味だったように見えたけど最後良く伸びて3着。1,2着馬はここに出てきても好勝負の馬だと思うし、乗り替わったルメールも人気薄の時の方が怖い。基本的に内枠有利のレースだし、内で溜めて最後馬群を割ってくるようだと面白い。

ステイフーリッシュまで拾うか。GIIで7戦連続掲示板を続けているように堅実な半面、走りが単調で最後しっかり捕まってしまうんだけど、ポジションが前に行けた時ほど成績が良いのは明らか。今回のメンバーでこの枠順なら好位を取れるはずだし、いつも以上に粘り腰を見せるかも。

 

◎ウインキートス

〇ラヴズオンリーユー

ペルシアンナイト

△サトノセシル

△ステイフーリッシュ

 

ブラストワンピースまでは手が回らなかった。前走だけで復調した自信は持てない。全盛期ですら不安定だった馬だし、もうちょっと人気が落ちないと買えない。