ジャパンC

天皇賞は正直メンバーが不満だったけど、今回は見事に三冠馬が3頭揃った。父子2代にわたる無敗の牡馬三冠を達成して英雄の後継筆頭に躍り出たコントレイル。セレクトセール1200万円という低評価を覆してキャリア僅か5戦で無敗の牝馬三冠を達成したデアリングタクト。そして2年前の三冠達成から8冠まで積み上げて万感のラストランを迎えるアーモンドアイ。三者三様で面白い。もし何か一つ違えばアーモンドアイは香港、コントレイルは年内休養、デアリングタクトだけがジャパンCに出て有馬には3頭とも出ない、のような展開も十分あり得たと思うと、この対決が実現したのは大変有難い。

3冠馬対決というとやはり84年、天皇賞を勝った4冠馬ミスターシービーが、1歳下で史上初の無敗の三冠馬シンボリルドルフを迎え撃った84年のジャパンC。2頭のどちらかが日本馬初のジャパンC制覇を成し遂げてくれるはずと期待したファンをあざ笑うかのように逃げ切ったのが10番人気カツラギエースだった。今から見返すとなんでこんな実績馬が単勝50倍もついたのかと思ってしまうけど、当時の雰囲気ではこの結末を予想するのは難しかったんだろう。2頭目の無敗の三冠馬ディープインパクト古馬対戦初戦では苦杯を嘗めている。ルドルフもディープも決して力負けではなかったのは後の実績から明らかだけど、三冠達成、それも無敗でというのは少なからず同世代のレベルが低かったからこそできることであって、快挙達成後に注目を浴びながら厳しいローテで古馬と初対戦という条件設定はかなり不利な要素が並んでいる。

特に今年のコントレイルは、過去の三冠馬が最後の菊花賞では地力の違いを見せつけて圧勝、完勝してきたのとは全く違って、際どく追い詰められながら薄氷の勝利だった。距離適性か、相手が強かったのか、それともベストな状態にないと見るべきか。今回は2400だけど、ジャパンCもかなりステイヤー色の強い馬が好走するレース。不安の方が大きい。

デアリングタクトは53キロ、秋まだ1戦、キャリアもまだ5戦ということで上積みもありそうだけど、正直秋華賞の走りは物足らなかった。今年の3歳は、牡馬はサリオスやオーソリティ古馬G2を勝っていてトップ層のレベルはそれほど低くないと思うんだけど、牝馬の方はレシステンシアとスマイルカナを捕まえられるのがデアリングタクト以外にいない世代。桜花賞オークスは絶望的な状況からよく追い込んで勝ったと思うけど、結果的に差は僅か。秋華賞ではあの相手ならもう少し力の差を見せつけて勝ってほしかった。

無敗の三冠馬に立ちはだかるのが競馬界の主役アーモンドアイ。ただこれも正直、前走の天皇賞は手放しに評価するほどではなかった気がする。そこそこ速くなった馬場でスローから上がりだけの勝負。逃げたダノンプレミアムを見ながら3番手から抜け出して速い上がりを繰り出して勝ちはしたものの、後方にいたフィエールマンとクロノジェネシスに際どく追い詰められた。あともう少しペースが速ければ、もう少し2頭の位置取りが前だったら、もう少し馬場が遅ければ、もう少し距離が長ければ、負けていたんじゃなかろうか。ダノンプレミアムとの比較から見ても、仮にインディチャンプがいたとしても際どい4着くらいには来てたと思っていて、インティチャンプより1馬身ほど強いというのが現状のアーモンドアイの実力だと思う。2年前はキセキが粘ってくれたけど、今年引っ張るであろうトーラスジェミニは早めに沈むだろうから、早めに先頭に立って長い直線を迎え撃つ展開になりそう。高速馬場では超GI級だけど、今の条件なら決して付け入る隙がないわけではないような気がする。

 

結局、三冠馬3頭とも、本命を打って勝負したいほどの期待よりは、どうしても不安の方が優ってしまう。直近でリスグラシューとグランアレグリアを経験してしまってハードルが上がりすぎているのだろうか。

 

やはりカツラギエースを探すしかないか。フィエールマンかクロノジェネシスが出てきていれば本命を打ちたかったんだけど、いないのでグローリーヴェイズにしよう。昨年の春の天皇賞ではフィエールマンと一騎打ちを演じて、香港ヴァーズではラッキーライラックとエグザルタントを3馬身突き放す圧勝。コロナ禍もあって春を棒に振ってしまったけど、休み明けの京都大賞典を完勝してここに照準を合わせてきた。仮想フィエールマンくらいの力を発揮してくれれば勝ち負けになりそうな気がする。

三冠馬3頭がみんな内でこの馬だけ大外というのはなかなか厳しいけど、内を避けて回る展開になりそうだし何とかならないだろうか。

 

 

◎グローリーヴェイズ

○アーモンドアイ

▲カレンブーケドール

△コントレイル

 

◎〇の馬単一点勝負にしようか悩むところだけど、3着争いに加われそうな馬も多くないので三連単にするか。

レンブーケドールはオークスが一番強かったと思ってるんだけど、その後も堅実。前走のオールカマーも後方待機のセンテュリオに差されたとはいえ、横綱相撲でステイフーリッシュ、クレッシェンドラヴ、ミッキースワローらを古馬G2,G3級を寄せ付けなかった。先行力もあって枠順もいいし、コース実績もある。叩いて上積みがあるタイプだと思うし、普通にデアリングタクトより強い可能性がある。

 

以下追記。

思った以上に前に行かないと厳しい馬場なので大外グローリーヴェイズは正直厳しい。

コントレイルの先行力を評価すべきか。左回りと右回りでコントレイルの迫力がかなり違うことを思うと、コントレイルの評価をアーモンドアイ以上にまで引き上げたい。カレンブーケドールまでは手が回らない。

コントレイル→アーモンドアイの序列にグローリーヴェイズがどこまで食い込めるかという狙いで行きます。

 

◎グローリーヴェイズ

○コントレイル

▲アーモンドアイ