皐月賞

先週のグランアレグリアは実力させ出せればダントツの一強というイメージはあったけど、サートゥルナーリアについてはそこまで抜けてるか?という疑問が大いにある。まず新馬戦も萩Sも相手が弱い。ホープフルSは一気に相手強化したかと思ったけど、今になって振り返れば2着アドマイヤジャスタは次走すみれSで完敗。3着ニシノデイジー、5着ブレイキングドーンも弥生賞では人気薄にやられ、4着コスモカレンドゥラはその後絶不調。6着ヴァンドギャルドもジリ脚に悩まされて重賞3戦して人気を裏切ってばかり。

サートゥルナーリアのここまでの3戦はいずれも走破時計は大したことないし、上がり3ハロンの時計も34.2、35.1、35.3と全然速くない。3戦すべてスローペースをじっと我慢させた上に実質上がり2ハロンの競馬しかしていないからだ。持って生まれたスピードの違いから楽に先行集団につけて、ギリギリまで我慢させて、直線を向いてから軽く追い出してムチを使うことなく余裕綽々のゴール。こういう馬がいざムチを使ってみると意外と伸びないのはよくあることではないか。ただでさえロードカナロア産駒で距離適性がどこまであるのかよくわからないし、さらに休み明けぶっつけのダービー至上ローテなると疑ってかかるのがセオリーだと思う。

 

ヴェロックスは自分から動いてロングスパートで相手を圧倒してきたという点、そして一頭だけ抜け出してからも止まらずに差をつけていく走りには、どこかで大仕事をやってのけそうな期待が持てる。若葉Sの勝ち時計2.02.1も翌日の古馬準オープンより道中1秒遅いのに同じ走破時計を記録している。ただしこちらもいかんせん倒してきた相手が弱い。さらにどうにも瞬発力を感じない走りで、東京スポーツ杯のように他馬とぶつかるような厳しい戦いになると盛り返せそうにない。大飛びで一旦加速したら伸び続けるので京都外回りとかだと強そうな気がするけど、自分と同程度かそれ以上の強さの相手と小回りで競うようだと実力を出し切る可能性はかなり低いのではないか。

 

 

本命はアドマイヤマーズ。朝日杯FSでグランアレグリアに真っ向勝負を挑んで競り落とした本格派。2着クリノガウディーも東京スポーツ杯を前に行って健闘した実力馬だし、4,6着のファンタジストとエメラルファイトがスプリングSで1,2着と好走していて、このあたりを阪神マイルでちぎって勝っているのは評価できる。当時の阪神はなかなか時計がかかっていて、同日準オープンを3馬身ちぎったインディチャンプが1.34.6だから、朝日杯の勝ち時計1.33.9はかなり評価できる。さらに凄かったのが共同通信杯。少頭数で押し出されて逃げる展開で、スローから他馬の目標にされる厳しい形。内でぴったりマークしたダノンキングリーの瞬発力に屈して早めに交わされたものの、離されることなくしっかり追いかけて2着を確保した。超スローの瞬発力勝負で、逃げ馬の身で3着クラージュゲリエと4着フォッサマグナよりも速い上がりを繰り出して4馬身の差をつけたのだから驚異的。

この馬もスピードの違いから逃げる形になりがちだけど、逃げたデイリー杯でも苦戦したように、真骨頂は相手を追いかけて叩き合いに持ち込んでこそ。デイリー杯では一旦交わされてから驚異の粘り腰で差し返し、そこからは譲る気配なく着差以上の完勝だった。今回はサートゥルナーリア、ヴェロックス、ランスオブプラーナなど先行馬に強豪が多いので、うまく叩き合いに持ち込めれば、仕掛けの遅れた後続を寄せ付けずにゴールできる可能性が高い。

不安と言えば距離。ダイワメジャー産駒の活躍距離は主にマイル以下で、1800の重賞勝ちすらほとんどなく、2000以上は皆無。しかしそんな中でもメイショウカドマツやロードヴァンドールのようなG2級のステイヤーもいるわけで、馬次第では十分こなせると思う。多くの産駒は先行策を武器に押し切る競馬しかできないけど、ダイワマッジョーレやアストラエンブレムのように溜めて速い上がりを使えるタイプの馬は2000重賞でも活躍していた。ここまで5戦中4度上がり3ハロン33秒台を掲示しているアドマイヤマーズは先行馬にして速い上がりを繰り出せるタイプ。皐月賞までは問題なくこなすと思う。

 

 

アドマイヤマーズに土をつけたダノンキングリーは加速力・瞬発力がとにかく素晴らしい。中山マイルで大外を回して3馬身突き抜けたひいらぎ賞も強かった。ただ少頭数で内枠から思う存分末脚を発揮できた共同通信杯で、1キロ重くて逃げたアドマイヤマーズと0.2秒差なら、中山2000の本番ではアドマイヤマーズに分があるだろう。今回は有力馬に先行馬が多い分、やりあってくれるようならディーマジェスティのような感じで直線でまとめて交わしてしまう可能性もある。でも全てがうまくいった前走に比べると割引きしたいところ。

 

 

◎アドマイヤマーズ

○ダノンキングリー

▲サートゥルナーリア

△クリノガウディー

 

 

アドマイヤマーズの単勝がもう少しつくなら単勝勝負でもいいんだが・・・。

ヒモ荒れを狙うなら筆頭格はクリノガウディーか。逃げる形になった前走だけでは見限れない。GI特有のハイペースでこそ浮上する可能性がある。