NHKマイルC

そこそこ強そうな馬が何頭もいて難解なメンバー。自信を持って消せる人気馬がほとんどいない。そういう時は大穴探しに限る。過去にも最低人気に近い爆穴が何度も馬券圏内を賑わしたレースだし、全馬体験したことがない高速馬場もあって、一筋縄ではいきそうにない。ホームラン狙いで大振りしてもいいんじゃなかろうか。

 

本命はデルタバローズ。道悪だった東京マイルのデビュー戦を2番手で先行して、ほとんど追うところもないまま抜け出して圧勝した馬。休み明けの京成杯では3番人気に推されたものの激しくイレ込んで全く競馬にならなかった。仕切り直しの3戦目は再びマイル戦に戻してニュージーランドT。当時の中山は完全な外差し馬場で、ラスト3ハロンも12.1-11.6-11.4と加速していくラップで後方待機馬が外に出して伸びまくる展開の中、最後まで伸びて3着に健闘した。内の馬としても先行馬としても唯一の上位入線。500万下すら勝てないゴールドギアが外から伸びて4着に来たように明らかに外差し有利だったレースで、かなり強い競馬をしていたのではないかと思う。今回がキャリア4戦目で、まだまだ一戦ごとの上積みも大きいはず。前走でもスタート後に行きたがっていたし、GIで速い展開になったほうが折り合って力を存分に出し切れる可能性もある。

高速馬場への適性は未知数だけど、それは他の馬もほとんど同じ。先行してなお末脚勝負ができるこの馬なら合う可能性は十分ある。父Into Mischief×母父Hard Spunは両方とも聞きなれないけど、父父Harlan's Holidayの日本代表産駒は3年前にこのレースで2着したアルビアーノ。また母父Danzig系と言えばミッキーアイルディープスカイシンボリインディがこのレースを勝ったほかデアリングハートファイングレイン、リエノテソーロなどのヒモ穴も輩出している。血統的には期待は大きい。

まだ底を見せていないにも拘わらずブービー人気。鞍上の石橋脩ビートブラックで近年唯一の芝GI単勝万馬券をやらかした大穴騎手だし、ラッキーライラック桜花賞一番人気で負けた後のここで本領を発揮してほしい。

 

 

過去のNHKマイルCは、荒れる時は凄まじく荒れる、つまり超大穴が2頭突っ込んでくることがちょくちょくある。グラスエイコウオーとサマーキャンドル、ピンクカメオムラマサノヨートージョーカプチーノグランプリエンゼル、タガノブルグにキングズオブザサン。今年もデルタバローズと一緒にやってくる大穴はいないだろうか。

最低人気カシアスが結構面白い気がしている。京王杯2歳Sではタワーオブロンドンにキレ味勝負で負けたけど、3着以下は完封したし初輸送でマイナス14キロだったことを思えば悪くなかった。次の朝日杯では2着から0.2秒差の7着。例年差し馬有利の朝日杯FSで、しかもダノンプレミアムが早々と前を蹴散らす展開の中で、3番手で競馬を進めてよく粘ったと思う。シンザン記念ではマイペースの逃げに持ち込んで、アーモンドアイの強襲にやられたけど後続を離しながら最後まで伸びて3着。前走ニュージーランドTでは3番人気に推されて勢いよく逃げて、外差し展開で最後捕まったけどなかなかの見せ場を作った。逃げるよりも先行した方が良さそうな馬だし、内で誰か行ってくれてそれを見ながらジワッと行ける展開なら、見せ場以上を作れないだろうか。

 

 

人気どころではアーリントンC2着のパクスアメリカーナ。デビュー2戦は取りこぼしたものの、馬体の絞れた未勝利戦と500万下では強い相手に完勝して勝ち上がってきた成長株。父はクロフネで、フレンチデピュティ系の血はクロフネ自身のほかグラスエイコウオーピンクカメオブラックシェルインパルスヒーロークラリティスカイ、アエロリット、母父としてもマイネルホウオウミュゼスルタンレインボーラインを輩出してきたNHKマイルCご用達血統。全姉ホエールキャプチャもこのコースの鬼だったし、前走僅かな着差だったタワーオブロンドンをこの舞台で逆転する可能性は十分ある。

あとはケイアイノーテックか。朝日杯は2着と同タイムの4着で力差はほとんどなかったし、こぶし賞ではパクスアメリカーナに負けたけど雨の稍重を思えば勝負付けは済んでいない。500万下を圧勝して、前走1番人気で挑んだニュージーランドTもゴール前はこの馬が一番よく伸びていた。冠名のせいかどこか地味な印象の馬で、GI本番では8番人気まで人気を落としてしまったけど、3歳マイル戦線ではトップクラスの一頭だと思う。

 

 

◎デルタバローズ

○カシアス

▲パクスアメリカーナ

△ケイアイノーテック

 

 

◎○2頭が最低人気2頭なのでヒモは手広く押さえようと思うけど、この4頭以外は積極的に買いたいとは思わなかった。

タワーオブロンドンは強い馬だと思うけど、1400で見せた圧倒的な強さに比べるとマイル戦ではそうでもない。せっかくの荒れるGIで抜けた一番人気を背負うほどの信頼感はない気がする。ギベオンは前走の走りは4着ノストラダムスと同程度、3着インディチャンプの方がいい脚を使っていたと思う。デムーロのおかげで人気してるけど、デムーロは東京マイルでは重賞で( 1 0 4 16 )、GIでは10戦連対なしと苦戦している。

プリモシーンもなかなか鋭い脚を持っているけど脚質が極端だし、これよりは先行して末脚を伸ばせるテトラドラクマの方が強い。ただテトラドラクマ桜花賞を疲労で回避してるような臨戦過程だし、この時期にレース間隔が開いたのはあまり良い気がしない。クイーンC勝ち馬の次走は勝率がかなり低いし、春の3歳GIでレース間隔が開いた馬はほとんど来ていない。カツジが内で先行してくるようなら怖いけど、前走の競馬を見てもケイアイノーテックより上の評価はできない。

 それよりは芝1戦1勝のミスターメロディ、相手なりに走って持ち時計のあるレッドヴェイロンとかの方が未知の要素が大きい分面白いかも。でも重い印は打てない。