天皇賞・春

カレンミロティック1着を疑わず頭固定で勝負して何か白いのに捕まった天皇賞から早や3年。カレンミロティックのことを完全に忘れていてゴール前阿鼻叫喚で猛反省した天皇賞から早や2年が経った。10歳になったカレンミロティックが、3度目の春の盾でまたも内枠を引き当てた。さてどうしよう。

この馬は2年前までの時点では、輸送のない関西のレースで逃げずに先行したレースではほとんど崩れていなかった。逃げて負けた後の天皇賞単勝99倍まで人気を落とした2年前がまさに狙い目だった。その後はさすがに衰えが隠せず、去年秋以降はちょくちょく掲示板には乗ってるものの、内容は特に見せ場がなくゴールまで雪崩れ込んでいるだけ。今回は相手がいくら弱いとはいえさすがに厳しいか。

カレンミロティックの全盛期は、先行馬のわりにマイペースで行くと直線意外といい脚を使えて、追い比べで十分勝負できる馬だった。今はそれが無い。京都の高速馬場に求められる適性は多分そういう部分。中山やローカルの高速馬場のように一本調子のスピードと先行力で押し切れるわけではなく、長い直線で勝負ができる馬でないといけない。それでいて、菊花賞で猛威を振るったダンスインザダーク産駒が天皇賞ではさっぱりだったように、単なるロングスパートのスタミナ勝負ではダメ。古馬になっての成長力やポジション取りもコミで、春の高速馬場に対応した直線での伸び脚が求められる。

 

 

クリンチャーはその点でちょっと違うかなと思っている。追い切りが去年とは別馬のように動くようになって京都記念では本命を打ったけど、いざ走ってみたら京都記念阪神大賞典も去年のクリンチャーのままだった。時計のかかる馬場で他馬が伸びないならともかく、みんなが伸びる高速馬場でその一歩上を行く末脚が出るかというと難しいんじゃなかろうか。むしろここで負けて、宝塚記念あたりで馬場が渋るようなら面白い気がする。

 

本来人気が集中するはずのシュヴァルグランは前走があまりにも負けすぎ。燃え尽きたかもしれない。得意舞台のここで一変する可能性はあるけど、激しく人気を落とすならともかく1番人気だし、もう何も考えずに消してしまおう。

 

アルバートは3400を超えるレースではとにかく強い競馬で勝っていてこれだけ見てると長距離GIでも戦えそうに思えるんだけど、実際は天皇賞でも掲示板がやっとで、2500や3000のG2でさえなかなか馬券に絡めない。この馬に重賞を4つも勝たせたムーアが上手すぎるのか、それとも3400以上というのはステイヤーの中でもさらに別カテゴリーなのか。とりあえず時計勝負が決して得意ではないという点はハッキリしていると思うので、外枠だし今回はやめとこう。伏兵に乗るルメールは怖いけど。

レインボーラインも時計勝負になった時に不安が残る。GIでもそこそこ活躍していてここでは地力は上位だとは思うんだけども、菊花賞阪神大賞典ならともかく春の天皇賞のイメージが湧かない。

それよりはトーセンバジルを買いたい。こちらは去年の京都大賞典を見てると高速長距離戦への適性は高そうだし、そのとき見せた先行力も侮れない。前走は時計のかかる馬場と休み明けを思えば度外視してもいいかも。前哨戦で負けといてGI本番で一変することで有名な藤原英昭厩舎でもあるし、デムーロが乗るわりには意外と人気していない。

 

 

あとは内枠の4歳馬2頭。

ガンコは芝再転向後のここ4戦、特に藤岡佑介の乗った3戦が先行して隙のない強さ。高速馬場への適性は未知数だけど、母父に入っているサドラーズウェルズ系はとにかく長距離戦でさえあれば時計勝負にも強い印象がある。

チェスナットコートは4歳ながらキャリア16戦目。もともと長い脚を使って堅実に追い込んできていた馬で、近走は距離延長と共に鋭さも増してきた。晩成のハーツクライ産駒らしくこの舞台はいかにも合いそう。鞍上は京都長距離マイスター・蛯名正義。最近成績が落ちてるけどそもそも人気馬に乗れるケースが少なくなっただけで、重賞でも頻繁に穴を開けているので腕は落ちていないと見た。

この4歳馬2頭は真面目に最後まで走ることへの前向きさ伝わってくる感じがしていて、そこが今回の他の古馬には見られないところ。淀の長距離戦で最後もう一伸びするのは結局この世代なんじゃなかろうか。

 

 

◎チェスナットコート

○トーセンバジル

▲ガンコ

 

この3頭に絞ろう。騎手のコース経験値と枠の差で、軸はチェスナットコート。